【書名】面倒くさがりやのあなたがうまくいく55の法則
【著者】本田直之
【発行日】2009年1月25日
【出版社等】発行:大和書房
【学んだ所】
・面倒くさいから体を動かす
- 仕事で疲れたとき、ほんとうに必要なのは中途半端な休憩ではなく、リフレッシュ。⇒どんなスポーツでもかまわないし、単純な筋トレやランニングでもかまわない。体を動かし、汗を流せば確実にリフレッシュすることができる。さらに運動が習慣になれば、疲れにくい体になっていく。そして月曜の朝には、晴々した気持ちで仕事に臨むことができる。
・面倒くさいから強制力を利用する
- そもそも、面倒くさがりやの人は意志が弱いもの。努力や忍耐といった言葉は大嫌いで、できるだけラクをしたいという考えを持っている。⇒そこで意志の弱い人が目標を達成しようとするとき、大きな助けとなってくれるのが「宣言」=人前で目標を宣言してしまうこと。⇒心の中で定めただけの目標は、すぐ挫折してしまう。自分に対しては言い訳もしやすいし、逃げ道がいくらでもある。⇒しかし、人前で宣言してしまうと、逃げ道がふさがれる。そして逃げ道がふさがれると、とにかく「やるしかない」といういい意味での強制力が働く。⇒宣言することは、自分を追い込む行為ではなく、迷いや誘惑を断って目標をラクに達成するための手段である。
・面倒くさいから「お手本」を見つける
- 苦境に立たされるとき、むずかしい判断を迫られたとき、いざというときに役に立ってくれるのが、手本となる人(ロールモデル)の存在。⇒自分の中で目標となり、行動規範となってくれるような人物を見つけ、常に意識すること。こうした人物を心の中に持っておくだけで、間違った道に進む確率が少なくなる。
- 手本となる人の設定が有効な理由としては、第三者を想定することで物事を客観的に見つめられることが挙げられる。⇒われわれは、自分の主観で考えていると、つい自分を追い込んでしまったり、気合いや根性に頼ったり、直観に任せたり、あるいは逃げ出したくなったりする。しかし、お手本となる第三者の目を通して考えると、主観に溺れることなく物事を客観的に判断できるようになる。一時的な気分や感情に流されることなく、自分のやるべきことが見えてくる。
- そして手本となる人は、なるべく複数持っておくようにする。経営者、著名人やスポーツ選手、上司や先輩、友人など、さまざまな手本となる人を持っておくほど、より多角的な判断ができるようになる。
- 自分の成長に合わせて、その都度新しいお手本を加えていかないと、新たな環境では対応できないことも多々ある。⇒もしも身近にお手本となるような人がいないなら、本や新聞などを通じて探す。
- ただその人を尊敬するだけでは、うまくいかない。⇒そもそもロールモデルとは、「役割」のこと。つまり、お手本を使って物事を考えるには、一種の役者的な「その役になりきる」という能力が必要になる。ちょうど、自分の中に何人もの役者を抱えているような感覚。
- また、お手本は特定の人物でなくても構わない。たとえば、「グーグルだったらどう考えるだろう」とか「あのチームならどうするんだろう」と、組織をロールモデルとする。
・面倒くさいから相手を変えようとしない
- 他者を変えること、特に他者の性格を変えることなど、絶対にできない。
- 悩んでいる人に対して、アドバイスをすることはできる。そしてそのアドバイスによって、相手が変わることもある。しかし、それは自分が相手を変えたのではなく、相手が自発的に変わっただけのこと。⇒自分の努力によって相手を変えることができる、という前提に立っていると、なんとかして相手を変えようと無駄な労力を費やしてしまう。そして自分の働きかけにもかかわらず相手が変わらないと、それを不服に感じて軋轢が生まれてしまう。⇒しかし、相手からしてみれば、そのような申し出など余計なお世話である。これは上司の指導やビジネス書でも同じことで、「こうすればうまくいくよ」という話なら耳を傾けるけれど、「こうすべきだ」という説教に対しては、思わず反発したくなる。⇒人は誰しも「変えてもらおう」などとは思っていない。向上心のある人だけが「変わろう」と思い、変わるためのヒントやアドバイスを求めているだけ。
・面倒くさいからルールを守る
- 一般にルールと呼ばれるものには、大きく2つの種類がある。まずひとつは、「明文化されたルール」、そしてもうひとつ、ルールの中には「明文化されていないルール」というタイプのものもある。
- 明文化されたルール:法律やスポーツのルールなどはその典型的な例。⇒ルールを破った行動は、違反行為として罰せられることはもちろん、それまでの努力がすべて水の泡となってしまう。⇒たとえば、ルールを知らずに飲んでいた薬で、ドーピング検査に引っかかる。こうなると「知らなかった」では済まされない。出場停止処分から公式記録の抹消、メダルの剥奪に至る大問題になる。さらには、これまで何年もかけて積み上げてきた実績も帳消しになり、なんのためにこれだけ練習を積み重ねてきたのかわからなくなってしまう。
- 明文化されていないルール:これはルールというより、「法則」のようなもの。⇒たとえば、営業という仕事の中には、「商品の説明ばかりをせず、お客さんの話を聞く」とか「商談以外でも頻繁に顔を出す」とか、明文化されているわけではないルールがある。=こうすればうまくいく、という法則のようなもの。⇒こうした法則を知っているのといないとでは、仕事の効率はまったく違うものになる。
・面倒くさいから先を読む
- あらかじめ面倒が起こらないような対応をとるためには、先を読む力が必要になる。⇒先を読むことの意味には、大きく次の2つが挙げられる。「将来起こりうるトラブルを防止する」「近道を見つける」
- 将来起こりうるトラブルを防止する:将来起こりうるトラブルを想定し、事前に対応策をとる。これはそんなに簡単なことではない。⇒たとえば山に登ったことのない人が富士登山をめざしたとしても、そこでどんなトラブルが待っているかは想像もつかない。経験のない事柄の先を読むことは、かなりむずかしい。⇒だからといってなんの事前策もなしに行動してはいけない。自分に経験がないのなら、経験者や専門家のアドバイスに耳を傾ける。専門書などで情報を仕入れる。こうして信頼できる他者の知識や経験を取り入れ、そこから対策を講じていくのも一種の「先読み」⇒経験がないからといって先読みを放棄していては、必ず面倒くさい目に遭う。
- 近道を見つける:先読みをしておくと、ゴールまでの最短距離が見えるようになる。⇒野球のキャッチャーは、どうすれば勝負球で三振をとれるかを考えて配球を組み立てる。ピッチャーの調子やバッターの傾向などを加味しながら、まず胸元に直球を投げ、次に外角にカーブを投げ、もう一度外角に直球を投げて、といった具合でボールを散らせつつ、最後に勝負球で三振をとる。⇒三球三振だけが近道なのではない。三振をとるためにあえてボール球を散らせておく。その綿密な組み立ての中に、ほんとうの近道がある。「面倒くさい」とど真ん中に直球を投げても、ホームランを打たれるだけである。⇒最短距離で成果を挙げたければ、先読みのくせをつける。思いつきの行動をくり返していたら、結局遠回りをすることになるし、あとから膨大な「面倒くさい」ことの処理に追われることになる。
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