「アナタは私を知っている、ことを私は知っている」 | リハビリ茶屋

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理学療法士/抗加齢指導士のエイジング情報

理学療法士として仕事していると、脳の現象の奥深さに目を回してしまうことの多い私ですが、仕事柄、ヒトの運動や行為、動作の解釈を認知心理学的・現象学的な角度から考察もしてく必要がある場面に出会うことがあります。


(参考: リハビリ茶屋平成24年2月11日記事⇒「栄養と複雑系 」)


ヒト科は、脳が発達したこともあり、相手の心の中を想像・認識・把握・することができ、相手の気持ちを理解し、それにより人付き合いや社会(コミュニティー)が成立しています。


ただし安易に理解したつもりになってしまうと、失敗もよく起こります。…難しいですね…。





相手を思いやることができるということは、他者と自己は異なる存在であるという認識が前提にあり、


そのうえで相手の心的内象の中で自己を扱うことができることが、ヒトを始めとした哺乳類の特徴だと思っていました。





それが、哺乳類だけでなく、カケスという鳥でもある可能性が示唆されたようです。

Evidence suggesting that desire-state attribution may govern food sharing in Eurasian jays (PNAS.Dec. 2012)



カケス↓(Wikipedia より)
リハビリ茶屋-kakesu


研究内容は以下のよう。(Link de Dietより参考)


①まずオスをメスから離しておき、オスに見えるような場所でメスに餌(幼虫)を与えた。

②オスとメスは再び一緒にされ、メスに与えた幼虫と、違う幼虫の計2種類の餌を選択できるように再度与えた。


③するとオスは、前回メスが食べなかった種類の幼虫を餌として選び、メスはこの食事の変化を喜んで受け入れた。


④また、メスに餌を与える機会が無い時には、オスはオス自身の要求(食べたい欲求)に従って1つを選択した。






これは、オスが、メスの心の中の状態変化に対して反応しており、すなわち「相手の“心の内面”を知っている可能性」が示唆されるという。


ようするに、カケスという鳥でも、自分は他人と異なる存在であること、また他者の内的心境は自身の状態とは別のものであることを、理解して(感じて)いるということでしょうか。







日々の生活では忘れがちになってしまいますが…、


改めて、私も相手を思いやる気持ちを常に持てるようにしなければ、と再認識できた研究でした。 :)




Masa