筋肉や骨は、運動をするための基盤となる要素ゆえに、医療分野では「運動器」という分類に分けられます。
なので骨折したり筋肉を損傷したり、靭帯を捻ったなどの障害を「運動器疾患」と言われます。
その相対的な要素として、「感覚器」と言われるものがあります。
遊園地のコーヒーカップに乗った後に起こる眩暈をイメージすると分かりやすい平衡感覚をはじめ、
視覚、聴覚、嗅覚、味覚、そして接触(皮膚)感覚があります。
しかし、
筋にもいろんな受容器(感覚器)があり、運動器官/感覚器官と分けることはできません。
有名なのは、筋紡錘と腱器官。(⇒骨格筋 :Wikipediaより)
筋線維が鞘に収まった形態をしている筋紡錘は、筋の長さ変化(伸張)を受容する器官。
主に腱や筋と腱の接合部周辺にある腱器官と言われるものは、筋の張力を受容する器官です。
これらはすばやい筋出力の調節や、適度な筋の緊張を維持するために必要です。
また、自分の四肢や体幹(姿勢)がどの位置に配置されているか、筋の長さや関節の圧から経験的に察知して、無意識に自分の楽な位置関係や姿勢を選んでいます。
筋肉のエイジングを防ぐことは、前回の記事 にしたようなホルモン分泌能力を維持するだけでなく、
筋紡錘や腱器官の感覚自体を研ぎ澄ませる状態に維持することにつながり、
転倒予防につながる運動スキルを衰えさせないことになります。
(アンチエイジング学会の研究でも感覚器というと平衡覚や視覚・聴覚・嗅覚・味覚が主な研究対象になっていますが、姿勢制御には筋肉・骨格系の制御機能の要素をなくして語れません。)
脳卒中予防(アンチ加齢)のためには運動習慣が有効、ということは随分と認知されてきましたが、
運動習慣は脳卒中後の機能回復にも好影響を及ぼします。
⇒Prestroke physical activity and early functional status after stroke.
運動習慣を! :)
Masa