財形貯蓄の加入年齢引き上げ | 生活を豊かに醸造したい(life-brew) FP/料理/craft beer/音楽/美術/身の回りや季節のこと など-

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FP事務所ライフブリューです。
2019年まで「Mr.ソトコト」で綴ったブログをFP開業を機に再開します。
FP関連の比重を高めたい!と意気込んでますが、まぁあまり気負わず続けていければ。
以前の記事も残しておきますので、よろしければご覧下さい。



55歳未満から70歳未満に引き上げるそうですね。来年の通常国会に改正案を出す方針。


これ、加入の上限じゃなくて加入できる年齢ですからね。

契約時に70歳未満であること、になるわけです。

思い切って上げますね😮


たしかに就業期間は今後も伸びるでしょうし、資産形成のための手段が長く使えるのは朗報です。

企業の雇用も70歳まで努力義務になりましたしね。流れはそうでしょう。


70歳から積立て開始する人がいるとして、最低5年間は積み立てます。70代で稼げる収入から、老後の投資に回すお金を用意できる人ということです。


ん?老後っていつからになるんだ?


60歳からの雇用延長制度でもらえる給料が、もっと高くなっている世の中でないと、70代の手取りではヘソクリも作れないかもしれないです。


それにしても、趣旨は賛成するし、珍しく大きく先取りしたことは拍手したいけど、どうもストライクゾーンを微妙に外れているような気がしてならない…

この手の国の制度見直しって、多くは実態の改善に刺さらなかったり物足りないんだけど、たまに今回のように振れ過ぎる?こともあり、丁度いい塩梅にならないのはなぜ?


今話題の年金保険料納付期間の5年延長の検討とともに、今後もたくさん諸制度や給付の上限年齢見直しが出てくるのでしょう。


いえ、高齢者の定義見直しや高齢者の就労・資産運用年齢引き上げへの法改正には賛成です。


でも、「うーん、そこかぁ」と複雑な思いなのは、財形貯蓄の魅力が低金利の中で長い間相対的に落ちている中で、いくら伝統的な福利厚生!勤労者の資産形成の武器!と言われてもとっくに関心が薄くなっているからなのでしょう。

「あ、まだいたの」みたいな。


財形は一部解約の手続きが面倒だから、すぐ下ろしていまいそうな人が給料から強制的に蓄財するのには向いてます。そのほうがよい人には勧めることがあります。でも他にメリットが見つからない。

iDeCoもNISAも出てきて、金利の魅力で劣る一般財形まで掛け金を回す余裕があるのか、ということです。


あ、加入時年齢が70歳まで上がるのは、住宅財形と財形年金です。一般財形は元々年齢制限ありませんでした。


てことは70歳といわずとも、60代後半から初めて住宅財形始めたり、個人年金の原資を貯め始める人に朗報ということですね。


いるか


……目的が限定される使い勝手が微妙。

実際に使う人が増えるのは次の世紀になってからか?健康寿命が85歳、平均寿命が100歳近くになればね。


加入時年齢より、いつまで加入できるかの年齢上限引き上げのニュースにしたほうが、普通に「いいね!」と受け取れたかなと思います。

加入上限年齢を何歳まで引き上げるのか、例えば財形年金の受給開始年齢を、現状は60〜65歳から選ぶのを何歳まで上げるのか、新聞には出てなかったです。

もちろん案はあるんだろうけど、既に財形している人の関心はそっちじゃない?

もっとも、単純に15年引き上げると「年金受給開始年齢を75歳〜80歳で選択。受給期間は5年以上20年以内」となるので、今生きている人にはちょっと寿命が心配か☠️


せめて利回り(商品)の選択肢が広がればと思いますが、だったらiDeCoと重なるし。

iDeCoの加入年齢も65歳から70歳に引き上げる検討もされているようですので、張り合ってしまうと勝てないというか、棲み分けできる訴求力が必要です。

なお、当たり前ですがiDeCoの70歳への年齢引き上げは、加入時要件ではなく加入できる上限年齢です🤭


財形貯蓄のメリット、もうひとつありました。つらつら書いているので前後してすみません。

一部解約は面倒ですが、iDeCoと違って財形年金も住宅財形も、60歳まで待たずに使えます。

「目的外の解約は5年間遡って利息に課税」なので、そう言われるとドキッとしますが、この低金利ですから預貯金商品での運用なら5年分税金引かれても痛くも痒くもないでしょう。もう途中解約の抑止力にはならないです。


メリットというより、課税を気にする必要が無いくらい利子が付いていない、というだけでした。


財形貯蓄もiDeCoも、所轄官庁は厚生労働省。iDeCoに比べて財形貯蓄の存在感が全くないのは、やっぱり力の入れ方が違うんでしょう。


ではまた。

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