7月に、厚生労働省が「モデル就業規則」を改定しました。
今回の改定は退職金規程のところ。
これまで、勤続年数が短い自己都合退職の社員には退職金を支給しない、というモデル規程が載っていたのですが、そこがバッサリ削られました↓
(削)「ただし、自己都合による退職者で、勤続__年未満の者には退職金を支給しない。」
理由は次のようなもの。
①昔からの労働慣行であり見直すべき
②成長分野への労働移動の円滑化促進
(政府の進める労働市場改革の一環)
①はわかるんですけどね。
②にどれだけ有効なんでしょうか。
勤続年数による退職金不支給は人材流動性を下げる要因のひとつ、ということらしいです。
中央労働委員会の調査によると、退職一時金支給のための最低勤続年数として、約半数の会社が「3年以上」と定めています。
2年以上必要なのが全体の約65%、1年以上だと約90%なので、多くの会社が勤続年数で何らかの制約を設けているのがわかります。
でも、長くても丸3年間。
日本の退職一時金制度だと、3年程度じゃ数十万円あるかどうか。1年や2年では、退職時にいろいろ精算するとそこからまた引かれたりして、大して手元に残りません。
この退職金をもらうために転職を我慢する人がたくさんいるってこと?🤔
「あと半年勤務して勤続3年になったら退職金30万円もらえるので、入社はそれまで待って下さい」なんて考えるのかな。多分、転職先は待てません👐
少ない額ではないけど、これが50万、100万であっても、転職のタイミングや新しい仕事とのご縁と天秤にかけたら、辞退したり転職活動を待ったりするかな。
これまで数多くの転職者やエージェントの方と接してきた経験を振り返り、真面目に考えてしまいました。
転職のしやすさに繋がるとは思えません。
もらえるのは嬉しいけど、結果に過ぎないのではないか。
ボーナスの査定期間に全て在籍したのに、支給日の前に辞めるような場合はボーナスをもらえないことがあり、そのほうが退職金額より大きいかも。
改定の方向は間違ってないのですが、その理由が噛み合っていないように見えて、何ともいえない気持ち悪さが残ります。
“風が吹けば桶屋が儲かる”的な無理矢理感🤣
①の理由だけでいいじゃん。
ではまた。