先日触れた政府の異次元の少子化対策、「こども未来戦略方針」についてもう一つ。
この中には、”子育て世帯に対する住宅支援の強化 ~子育てにやさしい住まいの拡充~”として住宅取得への優遇施策が盛り込まれています。
ひとつは、立地や間取りなどの面で子育て環境に優れた公営住宅等を今後10年間で約20万戸確保し、子育て世帯等が優先的に入居できる仕組みを作るというものです。
多くの公営住宅の立地や環境、築年数、インフラ等々からみて、子育て世帯に向けに魅力ある提案といえるのかと、既に疑問の声が上がっています。
若い世代や子育て支援をしている現場からの「家が狭い」「居住環境の改善」といった声に対応する施策の位置付けのひとつですが、ウーン...物件によりかなり差が大きいし、具体的な取り組みがみえないと実効性や訴求力があるかどうか、図りかねます。
子育て世帯向けの住宅施策には、住宅ローンのフラット35の優遇金利拡充も盛り込まれています。
昨年10月から導入された「ポイント制※」を活用し、住宅の広さを必要とする多子世帯に特に配慮しつつ、 2024 年度までのできるだけ早い時期に支援を大幅に充実させる、としています。
より広い家を、異次元の金利で取得できるなら、嬉しいですね🤔
※住宅金融支援機構ホームページから引用
リンク↓
2022年10月から【フラット35】の金利引下げ方法が「ポイント制」に変わります。:長期固定金利住宅ローン 【フラット35】 (flat35.com)
実は、既にポイント制には「子育て支援」による金利優遇があるんです。該当すると「当初10年間0.25%引き下げ」が適用されます。
ちなみに、ポイント制で最も優遇されるケースは「当初10年間0.5%引き下げ」で、全部で4段階あります(子育て支援は下から2番目)。
子育て支援ポイントに該当すると、例えば
・借入金額:3,000万円
・借入期間:35年
・返済方法:元利均等返済(ボーナス払い無し)
・固定金利 1.76%
で試算すると、
全期間1.76%の場合と比べ、当初10年間▲0.25%のほうが返済総額が約80万円安くなります。毎月に直すと約1,900円ちょっと😕
・・・これより「大幅に拡充する」と言っているので、当初20年間▲1.0%!とかですかね(まさか)
さすがに、毎月▲1,900円が、「なんとなんと1.5倍の▲2,850円に!! 🎊」で終わらないようお願いしたいものです。
なお、現在のポイント制「子育て支援」金利優遇ですが、この子育て世帯の定義は明確に決まっておらず、導入した各自治体によって上限年齢や様々な利用条件が決められています。
つまり、「住宅金融支援機構と連携して実施することにした地方公共団体」だけが実施しており、そもそも住んでいる自治体が参加していなければ適用されません。
また、自治体により「転入者・移住者のみ」「三世代同居のみ」「自治体が登録した対象住居のみ」と条件が様々に付いており、元々”子育て支援”ポイント制に参加する自治体が少ない中でさらに対象者が限定されています。なんか、趣旨が歪んでないか?
制度はあるけど使えない。
「子どもも大きくなってきたし、そろそろ家を買おうか~」
といった一般的なケースは想定外ですね🤯
もう一度言います。
「大幅に拡充」だそうです。
期待したいです。
ではまた。