土日はうちの町で日本祭りがあった。
実は私の住む隅の谷は人口1万千人くらいの小さな町なのに、なぜか2年に一度日本祭りが開かれているという不思議。
おまけにこんなに小さい規模の祭りなのに、ほとんど毎回ミュンヘンの日本領事館からゲストを招いてスピーチまでしてもらっているのである。
10年前初めて参加した感想は・・・「ドイツ人のドイツ人によるドイツ人のためのジャパンフェスト」。
地元の盆栽友の会と生け花の会(ともにドイツ人ばかり)による作品と古美術コレクターの男性のコレクションの展示がメイン。 それらは確かに美しいが、しかし・・・。日本人の私からするとそれだけじゃどうも違和感がある。日本は盆栽と生け花だけではない、日本食コーナーもないし、なんというか高尚な日本だけじゃなくてもっと日常的な、日本人も楽しめる日本が見たい。

はっきり言ってかなり違和感があったジャパンフェスだが、文句を言っていても始まらない。一応この町の唯一の日本人となったからには何とかせねばと思い、その次の回から近郊の町に住む友達に声をかけて、折り紙教室、習字でドイツ人の名前を漢字で書いてあげるコーナー、古い着物の販売や、年によってはカレーや手作り和菓子をふるまってもらった。
おかげで評判は大変よく、来た人達にも喜んでもらえたし、多少なりとも”日常的な日本”をお見せすることができたかなと自負している。
今年は引っ越し前の断捨離のチャンスとばかり、地下室に眠っていたベランダ鯉のぼりや子どもの着物、旦那の昔使用した日本語学習本にジブリのDVDまでごっそり持って会場へ。
11時からちらほらと来場者が入ってくる。
今年は今までと比べて 若い人や小さな子供連れのファミリーも多い。いいわいいわ、今まではおおむねお爺さんやお婆さんが多く、また日本好きというと特殊な人のイメージだったから、普通の若者が来てくれるのは大歓迎。時代は変わりつつあるのだ。
上品なマダムTさんの持ってきた着物は売れ行き好調。特に羽織は飛ぶように売れていく。大きなビニール袋一杯に買っていった女性もいた。
折り紙教室も、二人の日本人マダムの前に小さな子ども達が座って一心に花や動物を折っていく。出来上がった折り紙を大事そうに抱え込んでウキウキしている姿が印象的だった。
しかし何かが物足りないと思ったら今年は日本食のコーナーがない。
私はいつも巻きずしを出品していたのだが、今年は引っ越し前で何かとすることが多いのでお断りしてしまった。
しかし、やはりジャパンフェスで日本食が何もないのは片手落ちだ。どの国のお祭りでもグルメコーナーが欠けていてはお話にならない。
訪れた人たちが、生け花の会の女性達が用意したケーキ各種やチーズ、サラミパンなどドイツ食を買って帰るのを見ていると、ううむ、これではイカン。ここに寿司があれば絶対買って帰ったはず。カモがぎょうさん来てんのにみすみす見逃してもええんか、いやアカン。と浪速の商人根性がうずうずし始めた。(って大阪人じゃないけど)💦
そしてにわかビジネスチャンスの到来に欲にかられた私は前言を翻し、食を提供することを決心。土曜日の夜に大型抹茶クッキー36枚を焼き、翌朝には巻きずし11本を巻きあげた。
いつものぐーたら悪妻を見慣れている旦那はびっくり。別人を眺めるような目でじろじろ見ていた。
そ、私やれば出来るんです。なかなかやる気にならないだけでして。
(続く)


























