年明け早々ちょっとややこしいことになっている我が家。
去年の年末に大家さんが今住んでいるこの家を売り出すことを決意し、興味を持った人達が不動産屋を通じて連絡してきた。
築48年満身創痍のこの家をこの値段で購入したい人はまずいるまいと旦那は踏んでいた。実際最初の二人は見学の一日前にキャンセル。先週来たギリシャ人のカップルは「もっといい状態の家だと思っていた」と首を振り振り、不動産屋の値引き交渉にもかかわらず断って来た。
ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、またまた別の二組が見学に来ることになった。
しかも一人目の家族は投資目的だが、二人目は若いファミリーでここに住む気満々であるという。そうなったら私たちはここを出て行かなければならない。
新しい住まいかあ。試しにネットで探してみたが、5人家族、最低4部屋となるとヒットする物件は本当に少なくて・・・。それに引っ越しに伴う費用やゴタゴタ、新しい土地で一から人間関係を築く苦労を考えれば、やはりあと数年はこの家に住むのがベストだという結論になる。
不動産屋の話によると、若いファミリーの方は、まだ家を見てもいないのに絶対購入すると言っている。
旦那が昨日家を出たところ、見知らぬ老婦人に「あなたこの家の持ち主ですか」と話しかけられた。彼女は「私の息子家族が住むところを探していて」とあれやこれやとこの家のことを訪ねたという。おそらく遠方に住んでいる息子に頼まれて下見に来たというところだろう。危機感をおぼえた旦那はことさらこの家の欠点を強調したという。
「俺たちが住んでいるのに、そんなことは一切無視してねじ込んでくるなんて。自分のことしか考えていないエゴイストでイヤになるよ。よし、いざとなったら法廷で争うぞ。うちはまだ義務教育期の子どもが二人いるんだ。借地借家法もあるしな」
と旦那は意気込むが、裁判とか争うとか頭の痛い話である。
とりあえず何が何でも投資目的の人にこの家を買ってもらうよう仕向けよう。さいわい不動産屋さんはこちらの味方だ。その家族に連絡して若いファミリーより一足先に見学に来るようアレンジしてもらった。
大家が変わったら賃貸料値上がりは免れないが、うちの場合180ユーロが上限なのだが、それを200ユーロでもいい、プラス、今の大家が長年放置してきた窓の修理代は折版でもいいという好条件で彼らを吊り上げようと画策する私達。
そうしたら、今度はそれを聞きつけた不動産屋の娘までが興味を持って名乗りを上げてくる始末。なんと3組が内見に来ることになった。
関係のない所でストレスが溜まるのが、自分のドイツ語のなさ。私は普段のドイツ語は問題ないが、不動産に関する専門用語、及び法律については全くの子どもレベルであることが判明した。日本語で書いていても借地借家法とか聞いたこともないような言葉なのである。ドイツ語なら推して知るべし。旦那と不動産屋の会話がちんぷんかんぷんなのである。
当然交渉すべては旦那にやってもらうことになり、私は彼の後ろでおとなしくすることしかできない。旦那はお構いなしでいろいろ相談してきたり、自分のプランを披露してきたりするが、ふんふんと相槌を打つ妻が実は半分ぐらいしかわかっていない知ったらどんな顔をするだろう。家の売買という重大な局面で、子どもになった気がしてあーあ、自分がイヤになるワ。
取りあえずまた家の掃除をしなくちゃ。
最近見学者が立て続いて、掃除嫌いの私がこまめに掃除をするようになった。おかげで家がきれいになったのだが、それだけが救いと言えば救いか。

