私はシンシャンションはないが、ニーハオと言われたことは何度もある。何の悪気もなくあいさつ代わりに言う人もいたが、からかうようなバカにしたようなトーンで言う人もいた。どちらかと言うと後者の方が多い。以前、学校の前を自転車で通り過ぎた時そこにいた数人のティーンエイジャーの男子にカン高い声で言われた時もあるし、去年のクリスマスマーケットに娘と二人で行ったとき、ベラベラ日本語で話していたらいきなり前から来た小さな息子連れのオジサンにすれ違いざま「ニーハオマ」って割と大きな声で言われた。
娘「うん、あったあった」
「あれはさ、ドイツだけじゃなくて他のヨーロッパやアメリカでもよくあるみたいだよ。ネットコミュニティでもその話題があって、どうしたらいいですかという質問に対し、いろいろな答えがあったよ」
無視する、相手に直接抗議するなど様々な意見がある中、私が面白いと思ったのは、向こうがニーハオと言ってきたら、こっちはボンジュールと答えてやるというもの。
向こうにはアジア人はみな同じに見えるのかもしれないが、こっちに言わせてもらえばあんた達だって同じに見えるんですよっていう逆襲、視点の転換なり。
娘はゲラゲラ笑って、「それいいね、私今度使ってみる。おバカな奴らがニーハオと言ってきて、私がすかさずボンジュールってやかえしたら絶対戸惑ってアホみたいな顔すると思うわ。ププッ」
ふーん、じゃ私も次回やってみよ。
まったくシンシャンションといい、ニーハオといい無知無教養な奴らが多いっての。こういう輩はまとめてニーハオ魔と呼んでやろうかな。電話魔、しゃべり魔みたいに。
私はドイツに20年以上住んで、幸いあからさまな人種差別は受けたことがなく、時々遭遇するニーハオ魔は私にとってまったく重要性がない人間なので、たいして気に留めていなかった。
ちなみにクリスマスマーケットのオッサンに対しては、
向こうが図らずも「ニーハオマ(你好吗 )」(調子はどうだい)と言ってきたので「ヘンハオッ!ニーナ?(很好!你呢?)」(元気よッ。そっちは?)と間髪入れずに回答。
オッサンは自分が何を言ったかも知らず、当然こちらの返答も解らない様子でこっちを見たままそれ以上何も言ってこなかった。このケースはこれにて終了。無邪気なニーハオかからかいのニーハオか微妙なところだった。ま、ドイツに住んでいてこれからもニーハオ魔に遭遇する可能性は消えないのだから、こっちも頭をひねって相手を戸惑わせる反応を編み出してやらなくちゃっての。