一番早いクリスマスマーケット! | ドイツ、悪妻愚母のよもやま話

ドイツ、悪妻愚母のよもやま話

主婦にして家事はおざなり、興味あることだけ、猪突猛進の悪妻愚母のドイツ生活

 娘たちを街まで送り、待ち時間にぶらぶらと歩いていると、遠くの方からキラキラ煌めくイルミネーションが目に飛び込んできた。 

 あれ、あれはもしかして・・・、と近づくにつれ、予感が確信に変わる。クリスマスマーケットがオープンしている!

 例年クリスマスマーケットは11月末の週末からなので、明日か明後日が初日だと思うのだが、こちらのクリスマスマーケットは子ども用の小規模でこぢんまりしたもので、一足お先に始まっている。

 吸い寄せられるように近づいていく。お店の数自体は少ないが、懐かしい焼きアーモンドの甘い香りが漂い、グリューワインを片手に談笑する人、各お店が光で照らされ、まさにクリスマスマーケットの雰囲気を醸している。

 

 こりゃあ、めっけもんだ。出てきて得した。石畳の道にイルミネーションや街灯の光が映え、クリスマスマーケットの楽し気で華やかな雰囲気も風情を添えている。まさに冬のヨーロッパ、ヨーロッパの美しさの粋を集めた風景である。

 広場の中央にあるメリーゴーランドがまた華やかで、レトロで雰囲気抜群。人もまだ少ないから思う存分ゆっくり見られていいわー。

 マーケットの一角には、子ども達が自分でデコレーションしたチョコレートクッキーを売るお店もあった。これは子ども時代の楽しい思い出になるだろう。

 現地にいると実感する。この時期にまぶしい光に満ちたクリスマスマーケットが立つのは、まさにこの暗黒の冬を乗り切るためになのだ。必要性があってこの時期に生まれたのだ。

 

 いやー、今日は本当に出てきてよかった。と思いながら帰り道にさしかかると、これまた絵葉書のように美しい風景が目に入って来た。ハイリヒ ガイスト シュピタール(旧救済院)である。ペグニッツ川にかかるこの中世の歴史的建造物は、昼間も格好の撮影スポットであるが、夜になるとまた違った重厚な顔を見せる。

 薄暮れの蒼い空に重厚な石造りの建物、ライトが映える。まるで中世の絵画をそのまま切り取ったような、映画のワンシーンのような。絵になる。たしかに美しい、これぞヨーロッパの美しさという気がする。もう20年以上ここに住んできて、慣れているが、あらためて見てみると、ヨーロッパが美しいと言われるのも納得できる。

 

 ややもすれば、曇り空で陰鬱な悪い所ばかりが目に写るドイツの冬。できるだけその裏に潜む美しさも発見して、この冬を乗り越えたいものだ。