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今朝、電車に乗ると同じ駅を利用している会社の同僚と居合わせた。
彼女は、大学で修士号を学ぶ学生の身でありながら、学生のインターンとしてうちの会社で働いており、この春、めでたく、正社員として採用され、うちの近所にアパートを購入したそうだ。
彼女のような、やる気があり、素直で、生き生きとした若い人と話をするのは、私にとってもいい刺激になる。
この夏に卒業見込みであり、現在2足のわらじをはいている。
それはさておき、電車の中で世間話をしながら会社に向かう。
「うちのすぐ近所に、アパートが数棟建設されるらしいの。」
「静かだからいいと思って、この地域を選んだのに。騒がしくならなければいいのに。」
と教えてくれた。
なんでも、そのアパート群には「離婚者向け住宅」がはいっているとかで、昨日ニュースで話題になっていたそうだ。
変わった住宅だなと思い、そのプロジェクトを運営する会社のウェブサイトをのぞいてみた。
なるほど、今は雑木林になっている区域に大きなアパートが4棟建設されるらしい。
竣工が2020年あるいは21年とある。
この建物のコンセプトは、「フューチャービルト」だとか。
要するに、次世代の暮らし方にあわせた建物とでもいうのだろうか。
何が次世代かというと
- ソーラーパネルが設置された屋根。
- 電気自動車、電気自転車用の充電設備を備えた駐車場と駐輪場。
- 若い人向けシェアハウス風住宅。(寝室と浴室は所有し、リビングとキッチンは他の人と共用する形)
- 離婚世帯向け住宅。**
- 住民専用ゲスト用住宅。
- 会議室やイベントに利用できる共用スペース。
- 自然との調和がとれた外部の共用スペース。
まさに、「共有経済」「エコ」「多様なライフスタイル」を意識した次世代型アパートである。
**その興味深い「離婚世帯向け住宅」について
ノルウェーは、女性の社会進出が進んでいる分、女性も自立しているせいか、離婚率がかなり高い。
こちらの過去記事も参照いただきたい。
娘のまわりを見ていても、子供がある程度大きくなり、小学生に上がる時期、
あるいは中学生頃になって、離婚する人がやたら多いのだ。
そして、その子供たちは、親の都合に振り回される。
1週間あるいは2週間ごとに片親の家に、自分の荷物を運んで住むという形態が多い。
離婚によって、子供への影響を最小限にするため、それぞれの家には、子供部屋を作り、子供が学校を変わらなくていいように、なるべく近くに住むなどの配慮をする。
まず私なんかは、「経済的に大変だろうな」
と思うが、それでも離婚を選ぶカップルはとても多い。
浮気なんかすれば、即離婚ということらしい。
さて、どの部分が「離婚世帯向け」かというと、下記の見取り図をご覧いただきたい。
画像はネットより借用しました。
入口は父親、母親で違うのだが、(緑色で囲んだ)子供部屋はそれぞれのアパートから出入りできるようになっており、
一緒に住む親が違っても、子供は同じ部屋で過ごし、いちいち移動する必要がないという訳だ。
日本人の普通の感覚からすると、離婚した夫婦がお隣さん同士というのもどうよ?とまず思うだろう。
でも、こちらの人はとてもあっさりしており、離婚後の方が仲がいいなんて夫婦もざらにいる。
娘の友達の中にもそういう両親がいる子がいて、「こんなに仲がいいのになんで離婚するのよ!」と怒っていたそうだ。
確かに、傍から見ていてもそう見えた。
「え?本当に離婚してるの?」と。
先日も、飛行機に乗っていた時、斜め前に座っていた女性が、そのもう少し前に座っていた女性と知り合いだったようで、
「あら、偶然ね!」と仲良く話していた。
そして、その横に座っていた友達に、「彼女、今の主人の前の奥さんよ。」と何食わぬ顔で話している。
お互い昔から仲が良い友達同士という感じで、とても親しげで会話も弾んでいる。
そういう部分は、こちらの人って大人だなとつくづく思う。
いわゆる本音と建て前を使い分けているのか、
はたまた、それが地なのかは定かではない。
日本だったら、「できれば顔も見たくない。」という人の方が多いのではないだろうか。
そんな訳で、今日は、正にノルウェーならでともいえる「離婚世帯向け住宅」についてのレポートでした。
さてさて、どれくらいの人が入居してくるのだろうか、楽しみである。
