前回までの記事




家族と職場に了承を得られた私は

「提供の意思あり」として

Web問診の方に回答した


すると翌日には電話連絡がびっくり


初期コーディネートの担当者だった



電話の向こうからは

別の電話が鳴ったり声が聞こえたり…

ザワザワとしていて

忙しそうな感じ


 たくさんの方に電話してるのかな

 それくらい移植が必要な方がいるのかな


想像とは違った雰囲気だった



後から聞いた話では

日本人によくある骨髄の型の患者さんだと

ドナー候補者が10人になる事もあるとか

都市部だと毎日のように

コーディネートが行われてるそうだ


少しでも早く準備を進めることが

患者さんにとって良いのだなぁ…

最初にSMSで連絡が来たのも納得だ



「早速のご返答ありがとうございます

 問診内容のご確認を

 いくつかさせていただきます」



主に既往歴や現在の健康状態を聞かれた


服用している薬があれば

提供の1ヶ月前から

服用を停止する必要があるそうだ


提供の意思があっても

この段階で明らかに難しければ

たぶん最初の検査には至らないのだろう



私はまず確認検査を受ける事になり

医療機関の希望を聞かれた


選択肢はいくつかあったのだが

大学病院が

1番近くて便利だった



第2の我が家と言っても過言ではない

我が子が治療を受けて来た病院



思い入れが強すぎる意味では

他の医療機関がいいのかもしれないけど

こんなご縁をいただき

他を選ぶ理由がなく


利便性を考えても

私にはここしかなかった




※※※※※


それから約一週間後

今度は地方事務局から

コーディネーター決定の通知が届く


と同時に

その担当者から電話がかかってきた



「移植コーディネーターの〇〇と申します」



その声とお名前を聞いて


あぁ…と思わず声がもれた



その方は

我が子の入院中とてもお世話になった

HPSさんだった

 ホスピタル・プレイ・スペシャリスト(HPS)

遊び(ホスピタル・プレイ)を用いて小児医療チームの一員として働く英国生まれの専門職



コーディネーターをされていると

知っていたが

最近お会いした時に

いつまでできるか…と聞いていたし

こちらからお聞きする事ではないと

思っていたから


ご本人とわかって

感慨深かった



 Sちゃん、私の主人に感じが似てるの


と、本当にかわいがってくださっていた方



「個人情報が上がってきた時

 まさかと目を疑いました」



そうおっしゃって


まずは

もう1人コーディネーターさんがいる事を

伝えられた


やりにくいと感じるなら

そちらを担当にする事もできると



 やりにくくないです

 気持ちも揺るがないし

 〇〇さんがいいです



そう答えてからは

初めましてのように

淡々とお話が進められた



初期コーディネーターさんから聞かれた

内容の確認や

受診機関の確認


その中でもやはり

「大学病院で大丈夫でしょうか?」

の確認をされた


お辛くありませんか?と

気遣っていただいたのもあるが




なんと



大学病院の

担当調整医師が




小児科の

血液腫瘍のドクターだったのだ




我が子の

病気の告知から復学

再発から緩和

転院

家に戻ってきた時まで


ずっと関わってもらった

ドクター




「お互い知りすぎているでしょう…

 大丈夫でしょうか」



驚きを隠しきれずに

しばし沈黙




「あ…

 あまりにご縁のある方ばかりで

 驚いてしまって…」



ドナーは18歳以上だから

大人病棟のドクターが担当になると

思っていた




 大丈夫です

 先生にしていただけるなら何より

 よろしくお願いします




このお返事により

確認検査の日程が擦り合わせられることに

 



Sちゃん


こんなことって


あるんだねぇ…





この段階では

最終提供ができた場合からみて

まだ8分の1


確認検査のお話は

また次に