和江は回りに頼ることをこの日からやめた。
同僚や家族、もちろん病気の彼も。
つらいとか悲しいなど、ネガティブな感情は一切自分の中から消し去った。
本社とのやりとりはそれからも続いた。
しかし、社員はもちろん派遣やアルバイトの同僚にも一切このことは話さないことにした。
祈りが誰かの気持ちを動かすなんて他力本願なものだと思ったことはなかった和江だが、このときばかりはそう願わずにはいられなかった。
やがて本社から人事の通達が部長に届いた。
左遷である。
しかし、その理由は結局本人には明かさぬまま、部長は和江の支社から姿を消した。
根本的な問題は未解決のままで腑に落ちない部分もかなりあったが、部署には平和が舞い込んだ。
「正直、あなたの行動には度肝抜かれたわ、何もできなくてごめんなさいね、でもみんな感謝してるわ」
和江はその一言だけでも救われた気がした。
それからのオフィスは同僚全員の和江に対するリスペクトに満ち溢れた。
肝心の洋は・・・というと、1ヶ月の休職後、会社に復帰したものの上司からのパワハラは収まらなかった。
和江がしたことが洋の会社でもうわさになっていて、むしろ洋は前よりも居づらくなってしまったのだ。
「たいしたもんだな、お前の彼女は、何か?これからは派遣の彼女に食わせてもらうか?」
上司からの心無い一言、苦笑いするしかない洋。
洋は和江との別れを考え始めた。
エンゲージ寸前の二人だったが、それを破棄し別れを切り出す・・・
洋の精神状態は錯乱していた。
同僚や家族、もちろん病気の彼も。
つらいとか悲しいなど、ネガティブな感情は一切自分の中から消し去った。
本社とのやりとりはそれからも続いた。
しかし、社員はもちろん派遣やアルバイトの同僚にも一切このことは話さないことにした。
祈りが誰かの気持ちを動かすなんて他力本願なものだと思ったことはなかった和江だが、このときばかりはそう願わずにはいられなかった。
やがて本社から人事の通達が部長に届いた。
左遷である。
しかし、その理由は結局本人には明かさぬまま、部長は和江の支社から姿を消した。
根本的な問題は未解決のままで腑に落ちない部分もかなりあったが、部署には平和が舞い込んだ。
「正直、あなたの行動には度肝抜かれたわ、何もできなくてごめんなさいね、でもみんな感謝してるわ」
和江はその一言だけでも救われた気がした。
それからのオフィスは同僚全員の和江に対するリスペクトに満ち溢れた。
肝心の洋は・・・というと、1ヶ月の休職後、会社に復帰したものの上司からのパワハラは収まらなかった。
和江がしたことが洋の会社でもうわさになっていて、むしろ洋は前よりも居づらくなってしまったのだ。
「たいしたもんだな、お前の彼女は、何か?これからは派遣の彼女に食わせてもらうか?」
上司からの心無い一言、苦笑いするしかない洋。
洋は和江との別れを考え始めた。
エンゲージ寸前の二人だったが、それを破棄し別れを切り出す・・・
洋の精神状態は錯乱していた。