仕事から疲れて帰ると、開口一番母にこういわれる。

「頭が痛い」「具合が悪い」「ふらふらする」「めまいがする」

とにかく、毎日毎日どこかの調子が悪い(らしい)。

 

が、定期的に病院に行く度に、「何ともありません」「極めて健康です」「80歳過ぎにしては丈夫です」と言われてくるだけ。

血液検査=異常なし 骨密度検査=優秀 メニエール病診断=異常なし 血圧=上が少し高く、下の数値が低いが特に生活に問題なし いつも結果はこれだ。

なのに、毎日どこかしらの痛みを訴えてくる母。

「アナタは健康そのもの。異常がないんだから」と言っても聞かない。

どんなに説明しても、毎日母と向き合って色々話しても、その時はとりあえず納得するが、次の日になると決まって同じことの繰り返し。

私が毎日そう言うものだから、納得がいかないのか、ある日、母は私が仕事に行っているのを見計らって、勝手に一人で精神科の病院に行ってきた。

そしてそこでも「異常なし」と言われてきたらしい。

だけど一度家の人同伴で来て欲しいと病院から言われたらしく、そこで母は初めて私に精神科に行ったことを白状したため、私も仕事を休んで再度精神科に連れて行った。

が、いくら調べても「健康そのもの」で異常は見つからなかった。

 

だが、

母の中で「自分が具合が悪い」のを認めてくれない病院は「悪い病院・藪医者」

「いい病院はないのか?」から始まり「なんでだや?」「どこからこのめまいふらつきがきてるんだ?」「なんで自分ばっかり」

聞いているだけでこちらがうつになりそうだ。

 

それがあんまり酷いから、私はこういうことにした。

「頭が痛い」→肩が凝っているからだ。

「めまい・ふらふらする」→台風がきていて気圧が変わるからだ。

 

が、それで納得する母でもない。

色々話を聞くうちにあることに気づいた。

どうやら母は私に隠れて茶飲み友達など、他人から色んな薬やらお菓子やらをもらって勝手に飲み食いしているらしい。

栄養ドリンクやら、チョコレートやら、コーヒーやら、頭痛薬やら、胡散臭いテレビや新聞広告通販の健康食品やら…

私が「飲むな!食うな!」と言っても聞かない。

「だから具合が悪くなるんだ」と言っても

今度は私に「私の具合が悪いのなんか誰も解らない!アンタが構ってくれないからだ!」と突っかかってくる。

 

そうなんだよ。

「栄養ドリンク」やら「コーヒー」にはカフェインがたっぷり入っている。

「チョコレート」に含まれる「ポリフェノール」や「チーズ」に含まれる「チラミン」で頭痛が起きる場合もある。これで頭痛が起きる原因確定。

「頭痛薬」でも「アセトアミノフェン」はまだいいが「イブブロフェン」は強いので胃腸障害が起きやすい。だから用量が決まっている。

母の訴えに病院が「精神安定剤」を処方したが、これも強ければふらつきの原因になる。

ふらつきが強いということでこれまた違う病院で「トラベルミン」を処方されたようだが、これまた飲みすぎると眠気と倦怠感が増す。

それもこれも全部説明した。私は素人だ。薬剤師でも医療関係者でもない。

でも母が勝手に薬を飲むもんだからこういった薬のデメリットを覚えてしまった。

「病院の薬だけでは効かないから市販薬で何とかしたい」と母は言うが、この時点で立派な「薬依存」だ。

そしてもう一つ、一度交通事故で「むちうち」を経験している母は「頸椎」が弱く、いつも運動不足ストレートネックになっている。

「首コリ」「肩こり」から頭痛になる。飲食物以外ならそれが原因だろう。

 

何を言ってもしても言うことを聞かない母に対し、私は最後の手段に出た。

「めまい」が強いという時は「漢方」の「五苓散」を。

「ふらつく」という時は「漢方」の「苓桂朮甘湯」を。

これを飲んで死のうが死ぬまいがもはや知ったこっちゃないと。

一週間試させたところ、どうやら「ふらつき」を抑える漢方がはまったらしい。

時々まだ「頭が痛い」と言ってくるが、以前ほどではなくなった。

ただ、金が高い。1週間に2000円は財布にきつい。どうしたものか。

 

そんな母と離れたくてデイサービスに行く回数を増やそうと言えば「人が大勢で好き勝手できないから」と嫌がる。

といって、「私と別居しよう」と言えば激昂し泣きわめく。

私がどこかに行くと言えば「過干渉」のオンパレード。

約束<させられた>時刻に、家に電話を入れないと次の日帰ったら文句の嵐at1時間強。

「親が心配じゃないのか?」と言われるが、医者から「健康だ」と言われているのにどこをどう心配する?

他の人は老人の一人暮らしでもまともに生活している。

私がそう言うと「あの人は金があるから」と見当違いな返事をしてくる。

 

私が休みでも朝早くから仏様に大声で念仏を唱え始め、ラジオ体操を爆音で鳴らす。

それが隣の部屋の私に聞こえてくるもんだから私は寝坊すらできない。

だから週末は友人の家やらネットカフェで寝泊まりし、一週間の疲れを取っているのだがそれが母は気に入らないらしい。

「なんで家にいない」「私に何かあったらどうする?」と。

 

…あのね。私いい歳なんです。もういい加減あなたから離れたいんです。

 

母の口癖。

「私はあと2~3年しか生きられない」そう言いながら、もうそこから10年は過ぎてます。

母の兄弟姉妹も友人も全員亡くなりました。

なのに「一番弱かった」と自称する母だけ今も生きてるのはなぜでしょう?

 

とにかく、この母親。私の「頭痛のタネ」である。

「親孝行したいときには~」というが、私は既に十分すぎるほど親孝行していると思う。

そろそろこの過干渉から逃れ楽になりたい。