その昔、窯業(ようぎょう)系の会社に勤めておりました。
自分の人生の中で一番長い時間、そこに勤務していましたから、知識というものが嫌でも身に付きまして。
最近、「水道管破裂」とか、「道路陥没」とか、よく見聞きするようになりました。
理由の殆どが「水道管の老朽化」
この「水道管」というのが、別名「ヒューム管」と言われるものです。
(ヒューム管の名前は人名から。イメージは漫画に出てくる、土管、あれです)
簡単に説明すると、ヒューム管の基本は「セメント」を「鉄筋」に着けて窯で養生する工程。
(セメントと言っても単品ではなく、中に骨材と呼ばれる砂利、セメントを強化する為の混和剤など色々配合されていますが。もちろん配合もJIS規格でその範囲が決められています。)
製品が出来上がり、窯から出るまでは約2週間。
その後自然界の空気に触れさせて製品を慣らし、外観を整えてようやく出荷となるわけです。
一時期、内側をセラミックで覆った「セラヒューム」というものも作りましたが、あまり需要がなく約5年程で廃りました。
(歯のコーティングみたいな感じといえば解りやすいかな?)
うちの会社は小型(内径300ミリまで)も作っていましたが、需要が全くなくなり型枠も廃棄しました。
今主に製造されているのは、中型といわれる400~800ミリと、大型といわれる900~1200ミリ、超大型と言われる1250~のサイズでしょうか。(企業やJIS規格によって区分けは異なるかもですが。)
日本の水道管は老朽化しているといわれますが、そりゃそうでしょう。セメントベースの耐久性はおよそ20年。
その間補修すれば持ちますが、補修するのはだいたい外側から補修剤を塗り固めるだけ。
そもそも、補修は人海戦術。限界があります。
そんな製品を騙し騙し使うこと40~50年。
それが今の日本の水道管の実状です。
漏水、破裂。考えれば当然ですよね。
公共事業減により、特にヒューム管、マンホール業界はかなり苦戦する受発注状態になりました。
物価の高騰により製造原価は高い。反面受発注は少ない。
採算がとれない事業から企業は撤退する。
製造や補修が出来る人材も高齢になり引退していく。
第一次産業といわれる製造業はこうして少しずつ企業がなくなっていく。はい、悪循環のはじまりです。
経理課で原価計算をし、製造技術課でヒューム管はじめコンクリート製品のなんたるかを学んだ私は、解りすぎる今の状況にいささか怖さを感じております。
そして、何かが起きてからしか動かない、施工できないという現状に危惧しています。
当時と比べたらきっと技術も進化しているだろうと思いますし、ヒューム管も今はセメント(コンクリート)と鉄筋だけでなく、色々な材料で製作されているのかも知れません。
多分地震の度、寒さ暑さによる収縮膨張を繰り返す度、年を経るごとに水道管の破裂は増えていくはず。
だとしたら…国や地方公共団体はこの状況を鑑み、受発注を増やすなどして、1日も早くこの状況を改善すべく動くべきではないかと思います。
そうそう!
余談ですが、最近では家も3Dプリンターで製作できる世の中になってきたとか。(まだ試作段階らしいですが)
これ、2週間くらいで出来上がるそうで材料も低コスト。おまけに組立や解体も楽なんだそうです。
こういう技術があるならそれこそ災害時などの仮設住宅に使ってみてはと思うんですが。まして試作段階なら尚更。
国や地方公共団体が企業から借り上げる形で一部負担して使ってみるとかね。
そしたらお互いWin-Winになりませんか?
さて、こんな提案はいかがでしょう?