先走りする「出口」
野村(8604)が5000億円の増資って事だったんで、気になって見てみると、ここって今月の頭まで800円つけてたんですね。
「現値 573JPY 前日比-15.86% 9/25」
まぁ随分と厚かましい株価だったみたいなんだけど、先日終値(25日)が573円。
金融セクターは「空売りセクター」って事で、野村なんてゼンゼン関心の無い自分は全く見た事なかったんだけど、パっと見だと10年3月はEPS11.5になってる。 発行価格は来月に決まるらしいんだけど、「現時点で」大体約23%の希薄化になるから8.85とかその辺り。 500円でもゼンゼン高いんだけど、まぁネームバリューですかね。
投資家調査とかで、「株価まだ上がる」みたいなインチキ臭いプロモーションで収益拡大に必死だったんだけど、今度は大規模な資本増強。
金融セクター全般を見渡しても、新BISとの兼ね合いで、増資ラッシュと共に空売り候補が拡大中。今の時期「金融ショート」は良い戦略だと思われる。亀井大臣もアシストしてくれそうだし。
「出口期待」はマーケットの先走り
先日開かれたFOMCで、FRBは、当初の予想通りMBS購入プログラムを3か月延長した。 いちおー来年3月で打ち切り、という事なんだけど、MBS市場と銀行のポートフォリオが一体となっている事を考えれば、実際はさらに延長する事になるものと思われる。(米地銀メルトダウンを見るとそう思う)
何度も言うようだが、バーナンキは上院向けの「ポーズ」として常に出口をアピールしなくてはならず、失業率を念頭に置いた発言は慎まなくてはならない状況にある。 毎度の事だが、「景気底入れ」を額面通りに受け取る事はできない。
参考→ 「バーナンキの使命」
「来年の利上げ期待」もマーケットにはあるようだが、マーケットは常に先走る傾向にある。 失業率が下がらない事には、インフレ率にも期待が持てない。FRBが来年末ですら失業率予想を8-9%予想を出している事を考えれば、「ブレーキ」は程遠い事になる。(利上げは再来年末とか)
「まだ止めたくない」 byベン
芽生える「グリーンシュート」
今朝、SP500は2009年の高値引け。ポイントは1071をヒット。
S&P500Index 1071.66+7.00 / +0.66% Sep22
ただ、52週(過去1年)の高値1255には到達していないとの事。 この時期の米マーケット関係者は、どうしてもリーマン倒産時を基準に考える。 彼らにしてみると、昨年9月のマーケット値が復活のバロメーターになるのは仕方のないところ。(いわゆるリーマンレベル)
右は、SP500内における52週の高値更新の銘柄の割合。 8月に入ってから高値更新銘柄が徐々に出てきた。 先週は7.6%で、22日だけで5%。(クリック拡大)
これには様々な見方があるようだが、春先からのラリーが徐々にグリーンシュート(新芽)を芽生えさせている、という事になる。
一時期騒がれたCDSインデックスも市場縮小と共に、今月に入ってさらに急落。CDSもすっかり「時代遅れ」となってしまった。 これはデフォルトリスクが縮小している事を示していると同時に、ここのところの株価を押し上げる要因ともなっているようにも見える。 あくまでスプレッド上の話だが。
ただ、NYは目先1万ドルのマイルストーンが立ちはだかり、SP500も50DMAを基準にしたレンジ(バンド幅)では、アップレンジ(赤)の天井をタッチ、「買われ過ぎ」という事になっている。
マーケットが停滞している短期的なスパンの下では、テクニカルが効果を発揮する事になるが、いずれにしてもアップレンジを突破するような好材料は今のところ見当たらない。
その逆は上海。「テクニカル上では」上値余地を残しているが、下値余地も残している。値動きが激しい市場では何が起こっても不思議ではない。
そしてNK225は、8月第2週にRSIは天井タッチ(残炎マーケット) 。 その後8月31日に10767をマークした後はトーンダウン。アメリカや上海と比較して落ち着いた相場となっている。
2年前に67兆5700億ドルあった「ワールドインデックス」は、1年半で(今年の3月まで)36兆9700億ドル失い、この半年間で18兆ドルを取り戻している。(9月21日時点Bespoke)
これを見ると、ロジックならぬ市場マジックをつくづく痛感する。
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SECの「格付け機関新ルール」
不況のさ中、こんな記事。
金融危機後、「社会主義の進行」と揶揄されるアメリカなんだけど、こういうのを見ると、違った意味で「自由の国」を痛感する。 「どうせ1年後には社会復帰する人たち」って、うーん凄い。 日本じゃこんなの想像付かない。イリノイなんて失業率10%に達しているし、犯罪者も多いんだろうけど。
そして先日には、「FRBのバランスシートが拡大したっていう報道があった。
これ見る度に思うんだけど、FRBのバランスシートって断崖みたい。
画像はアイルランドの「モハー断崖」なんだけど、アイルランドって事は、住宅バブルの崩壊をも連想させる。 MBSの拡大も続く見通しだし。(茶色の断層)
Federal Reserve Banks/Sep16,09 change since Sep9,09
Reserve Bank credit 2,125,180
U.S. Treasury securities 759,803 +2,031
Mortgage-backed securities 685,056 +59,778
Net portfolio holdings of Commercial Paper
Funding Facility LLC 42,974 -2,693
昨年、リーマン破綻(9.15)から短期間で2倍。歴史的に見ても、急に煙突が出来たみたいになったもんだから、どこまでいくんだろう?って思ってたが2兆ドルを超えてからは一息ついている。
がしかし、「前任者」のグリーンスパンも、FRBの資産について先日、懸念を表明。 以下「Market Oracle」から抜粋。
Is the Fed's Money Pumping Inflationary? (Sep17.Market Oracle)
Speaking via satellite to a conference in Mumbai on September 8, 2009, Greenspan said that central banks need to defuse the large increases in their assets.
He stated that failing to shrink central-bank balance sheets could lead to very high price inflation:"I am not talking 3–5 per cent inflation; I am talking double-digit inflation in the US."
2009年9月8日にムンバイで行われた会合で、衛星を通じてグリーンスパンが講演したらしい。彼は、「FRBは、大幅な資産増加による危険を取り除く必要がある」と警告。 仮にFRBがバランスシートを縮小する事ができなかった場合、3-5%どころか、2桁のハイパーインフレが起こるかも知れないという懸念も表明。
まぁ住宅バブルを引き起こした人でもあるから、偉そうな事は言えないんだけど、いちおー最後には「資産の縮小は簡単ではない」とも補足している。
「格付け機関への新ルール」
そして、今後も拡大見通しのMBSなんだけど、先月にはS&Pから格下げされて(CMBS)出鼻を挫かれた格好になった。 格付けによってもFRBのMBS保有率は影響を受ける訳だけど、先日にはWSJにこんな記事。
SEC Approves New Rules for Credit Raters
(Sep17 4:50PM/WSJ)
WASHINGTON -- Credit-rating agencies will have to continually disclose a history of their ratings to the public under a new rule approved by the U.S. Securities and Exchange Commission Thursday. Under another rule approved Thursday, credit-rating companies such as McGraw-Hill Cos.'s Standard & Poor's and Moody's Corp.,which are paid by debt issuers, will have to disclose to their competitors if they are in the process of rating a structured product.
SECが格付け会社へ新ルールを承認、っていう記事。
格付け会社は、木曜日にSECが承認する「新しいルール」の下で、自分たちの「格付けの歴史」を公にしなくてはならない。 債券発行体から料金を受け取っている、マグロウヒル傘下のS&Pやムーディーズのような格付け会社は今後、仕組み商品を格付けする場合、その事を競合他社に開示しなくてはならなくなる。っていう内容。
「格付けの履歴開示」について、新ルールでは 「2007年6月26日以降」の格付け履歴開示を格付け会社に求める事ができるらしい。 記事では、格付け自体が債券発行体から受け取る「料金の大きさ」によって左右される事も指摘。SECはその対策として、「債券発行体が高い格付けの為に格付け会社を渡り歩く行為」を抑える為の新ルールの提案もしたらしい。
さらには、投資家からの訴訟から格付け機関を守ってきた「ガードレール」も取り除く事も検討、という事らしい。
以前の規制法 「完全なザルだった格付け機関規制法」 では、部分的な開示でよかったんだけど、今回はしっかりと義務付けようっていうSECの試み。 まぁ、今更の新規制なんだけど、しないよりはマシ。 ルールなので「具体的明確な」規制を掛けて欲しいところ。






