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劣化するFRB資産とアメリカの苦悩

ガイトナーが財務長官へ

週末のNY株は大幅反発って事なんだけど、どうやら財務長官にガイトナーが指名される見通しとなった模様。


任期終了間際に大きな責任を背負いたくないポールソンの発言が二転三転する中での、待ち侘びたガイトナーの財務長官就任報道なんだけど、簡単に言うと今までの経済対策を担ってきた3人(ポールソン・バーナンキ・ガイトナー)の役割が変わるっていう話。


まぁ実際には誰がどの役割についてもリセッション回避は不可能なんだけど、マーケットの反応を試すような、この「先走り報道」は功を奏したって事で、このままマーケットはガイトナー就任を拍手で迎え入れる事になる。


正直言って、この人がどういう発案をするのか自分にはゼンゼン分からないんだけど、日本の株価にとっても中川金融大臣より、こっちの方が重要になってなってくるって事で、今後ガイトナーからは目が離せない。

「CDSトレンド」の演出

先日ソフトバンク[5Y3SOFBAK]のCDSスプレッドを確認したら、いつの間にやら967.50bp(20日)までワイド化が進み、1000bpまで射程圏内といったところになっていた。

今年の9月に入ってアイフルが1000bpを超えて話題となっていたが、その後、消費者金融の独立系であるアイフル(2610bp)、武富士(2140bp)は共に2000bpを超えてしまったようだ。



「CDSトレンド」が過剰なワイド化を助長


アメリカの金融混乱から、もはや「トレンド」となったCDSだが、株価同様、アメリカのCDS市場に引っ張られる日本のCDS市場はマーケットに狙い撃ちにされている感がある。


言い変えると、アメリカから輸入されてきたCDSなんだけど、ここのところその言葉自体がトレンドとなった背景も、ワイド化を加速させているような気がする。

有利子負債2兆5000億円がよくクローズアップされるソフトバンクなんだけど、先月の決算で750億のCDOを保有している事が明らかになり、デフォルトが7銘柄になると456億円、8銘柄以上になると、保有CDOの全額750億円が「特別損失」として計上される可能性が報じられていた。


「CDSトレンド」と、そのような実際の損失の可能性が存在する事、巨額な有利子負債のイメージが強いという事で、マーケットに狙い撃ちにされやすい状況という「トリプルファクター」で、とうとう1000bp直前まできたという事になる。


ソフトバンク広報によると、「ソフトバンクの社債発行額は相対的に大きい事もあり、CDSインデックスの影響を受けやすい側面がある」 という事で、ソフトバンクCDSについては、固有のリスクで拡大しているわけではなく、財務状況には自信アリという事だった。

「40代で1兆~2兆円の勝負をし50代で完成型を目指し、無借金を実現するのが人生哲学」と明言する孫社長だが、実際に1000bpまで上昇してくると、資金調達も厳しくなってくるものと思われ、孫社長にしても当然ナーバスになっているものと思われる。


一般的に「500が危険水域、700を超えると破綻が意識される」といわれるCDS市場なんだけど、まぁセンチメントが悪化している状態では理論値よりも市場の数値は過剰になるものだし、それは株式市場でもCDS市場も変わらない。

よってCDS数値よりもやはりファンダメンタルズの方が重要だという事で、有利子負債返済に自信を持っているような孫社長には、頑張って人生哲学を全うして欲しいものだ。


という事で、今回はソフトバンクCDSスプレッドに関してでした。ちょっとした気紛れです。