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失速するラリー

何事も管理される事が嫌いな自分は、入院の提案を丁重にお断り

した。 美人の看護師さんの存在によって一瞬ためらう事になったが

深夜を病室で過ごす事は、自由人としては非常に厳しい。


そして唯一、人差し指が動くので、10日後と宣言したにも関わらず

左手とその右手人差し指を駆使し、カオス的更新。(右手がドス黒い

のが気になる)


失速するNY


NYは、4・5・6月のQ2を、勢いのある「ラリー」で駆け抜けた。

この事は各国のプレスが当然ながら報じている。

7月1日付のWSJでは春先からのラリーを、「Dow Rose」と表現していた。


Dow Rose 838.08 in Quarter (july1 2009 WSJ)

                          (Eiichiroh超訳)

The Dow closed the second quarter at 8447, up 11%, or

838.08 points, for the last three months but down 3.8%

for the year. It remains down 40% from its all-time high

on Oct. 9, 2007. (中略)  It was the best quarterly

performance for the Dow since the fourth quarter of 2003,

early in the last bull market. The S&P 500-stock index

finished June at 919.32, up 15% for the quarter and up

1.8% for the year.


第2四半期のDJ30は、この3ヶ月で、11%、838.08ドルアップの

8447ドルでクローズ。 それは2007年10月9日の最高値から40%

下がった位置になる。(中略) この四半期のDJ30のパフォーマンス

は、最後の強気相場の初期段階である2003年の第4四半期からでは、

最高のパフォーマンスだった。 そして、SP500は6月を、この3ヶ月で

15%、年始めからは1.8%アップの919.32ポイントで終えた。(以上WSJ)


果てしないカオス

果てしないカオス


RSIが30%(売られ過ぎ)を付けた3月初頭から、SPXも見事に上昇。

5月の初頭にはRSIは70%(買われ過ぎ)を付けたんだけど、そこから

さらに株価は上昇。 6月中旬まで勢いは続いた。(上の下の図クリック)

6月下旬に「ゼロ金利維持」が告げられると、株価は持ち直したっていう

理由付けがされているんだけど(上の上の図クリック)、WSJではさらに

今後の株価維持における企業業績の重要性を説いている。以下WSJ。


Since mid-June, however, the rally has petered out,

leading some to question whether it had gone too far too

fast. Many say the market needs to wait for fundamentals

to catch up with prices.


あまりにも速く、割高な株価に辿り着いたのではないかという懸念と共に、

春先からのラリーは勢いを失ったという事で、今後のファンダメンタルズ

の重要性を説いている。  要するに企業業績を無視した金融相場が、

現実に帰りつつある事を指摘しているんだけど、金融相場が業績相場へ

と転換するって言っている自分の意見は、どうやらアメリカの方に適して

いる模様。 日本マーケットの方はまだまだ政策に期待でもしているの

だろうか?


PERの側面で見ると、アメリカの方は14倍となっているんだけど、EPS

がどういうカウントをされているのかは分からない。数値のみ見た場合

では当然割高ではないんだけど、ヘンテコな会計基準によって利益を

嵩上げしている事を考えると、14倍で割高感を感じ、株価が頓挫している

という解釈はできる。


果てしないカオス


日本の場合は「40倍」って事で、上図を参考にすると台湾に次ぐ2番手

って事になるんだけど、以前も言ったように(現実に向かう株価) 、日本

のPERは企業の楽観的予測の為に、低く見積もられている気がする。

(勝手に思ってるだけだが)


OECDによるGDP(見通し)の側面から見ても、日本は「一人負け状態」。

(下クリック)


果てしないカオス


デフレや失業率の加速も考えると、09年度下期もそんなには期待

できないように思えるのだが、「下方修正」のオンパレードだけは勘弁

願いたい。


住宅価格120年の歴史


毎月発表される米住宅価格で、4月の住宅価格の下落率が縮小した、

とかいう報道があった。「4月ケース・シラー米住宅価格指数は低下」

毎月発表される住宅価格に一喜一憂している米政府やアナリストだが、

彼らの期待をよそに「下落が止まり景気回復が始まるのはずっと先」と

いう意見は根強い。(ネガティブ・エクイティの波)


そんな中、7月1日付の「THE BUSINESS INSIDER」 には

「Prices still have a bit further to fall just to get back to

fair value.」と主張する記事があった。


果てしないカオス


上図は1890年からの、「120年住宅価格チャート」。(クリック拡大)

この統計によると、1950年から1990年代後半までの50年間は、

「100-120レンジ」にいる。 このレンジを記事のいう「fair value」とする

場合、今現在「回復」が期待されている住宅価格は、実は下落一直線

の今現在が(ある意味)回復に向かっている、という見方ができる。


記事では、今後数年間でさらに30-40%下落し、さらにそこに止まる

という事を言っている。下落の幅はその通りとなるかは分からないん

だけど、この120年の歴史を見る限り、2000年前後の数年間は紛れ

もない「超バブル」であり、数年前の住宅価格に戻る事はあり得ない