娘が生まれて「無敵の人」になってしまった天皇。道長の切り札も、我が娘? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

道長は、なぜ辞表を出したのか?本当に「辞めたい」のか?

 ドラマと史実とは違うとは思いますが。 

 基本的には「脅迫」です。広い意味で。

 ぶっちゃけた言い方をすれば、「あなた(天皇)が行いを改めなければ、自分はもう政治をしないぞ、それでもいいのか、私なしで、あなたやっていけるのか?」ってことですね。
 ドラマの道長の台詞を聞けば
「天皇が自分の政策に早く裁可をくれなかった、おかげで治水工事が遅れて、洪水で大きな被害が出た」
と言って、明らかに一条天皇の職場放棄を非難しているわけで。

 

 そのあとで道長が「これは私の不徳のいたすところです」みたいなこと言ったとしても、本気で自分の責任だとは思っていない、というのは当然でしょう。

「こんなところ(中宮のもと)に入り浸っていないで、早く朝廷に出てきてよ、家族愛にかまけてないで、天皇としての責任を果たして下さいよ」

 

と言ってるんだ、と見るべきです。

 遠回しに言ってるように見えて、わりと直截に非難しています。 

道長としては、「私に無駄な労力を使わせるな」というのが本音でしょう。

道長が三度辞表を出した、ということは、一条天皇は三度とも、口では「朕が悪い、許せ」と言っていながら結局「入り浸り」がやめられなかった、ってことですね。
先週も書きましたけど、一条天皇、中宮に子供が出来たのをキッカケに、明らかに「駄目なほう」に向かっています。

 普通のドラマなら「恋愛至上主義」や「家族は仕事より最優先」というのは、人間として当然の価値観です。 

しかし、大河ドラマでは、そうはいかないんです。大河ドラマの主役級人物は「日本という国をより良くしなければならない」という使命があるので、ときには「恋より、家族より、仕事」でなければいけないんです。

 

そして道長にも、来週いよいよ、愛する娘を「いけにえの姫」に出さなければならない、という日が来るわけですね。これが、大河の主人公の宿命です。

 

 「どうしたら災厄を避けられる」

 

と聞く道長に、安倍晴明は帝の態度を正さなければ駄目だ、それが出来るのは左大臣しかいない、と言ったあと、

「あなたはお宝をお持ちだ、お宝を使いなされ」

と言ってます。

お宝とは何か。この娘、です。

にしても、この彰子さまの表情は・・・(泣)。