道長は、なぜ辞表を出したのか?本当に「辞めたい」のか?
ドラマと史実とは違うとは思いますが。
基本的には「脅迫」です。広い意味で。
ぶっちゃけた言い方をすれば、「あなた(天皇)が行いを改めなければ、自分はもう政治をしないぞ、それでもいいのか、私なしで、あなたやっていけるのか?」ってことですね。
そのあとで道長が「これは私の不徳のいたすところです」みたいなこと言ったとしても、本気で自分の責任だとは思っていない、というのは当然でしょう。
「こんなところ(中宮のもと)に入り浸っていないで、早く朝廷に出てきてよ、家族愛にかまけてないで、天皇としての責任を果たして下さいよ」
と言ってるんだ、と見るべきです。
遠回しに言ってるように見えて、わりと直截に非難しています。
道長としては、「私に無駄な労力を使わせるな」というのが本音でしょう。
道長が三度辞表を出した、ということは、一条天皇は三度とも、口では「朕が悪い、許せ」と言っていながら結局「入り浸り」がやめられなかった、ってことですね。
普通のドラマなら「恋愛至上主義」や「家族は仕事より最優先」というのは、人間として当然の価値観です。
しかし、大河ドラマでは、そうはいかないんです。大河ドラマの主役級人物は「日本という国をより良くしなければならない」という使命があるので、ときには「恋より、家族より、仕事」でなければいけないんです。
そして道長にも、来週いよいよ、愛する娘を「いけにえの姫」に出さなければならない、という日が来るわけですね。これが、大河の主人公の宿命です。
「どうしたら災厄を避けられる」
と聞く道長に、安倍晴明は帝の態度を正さなければ駄目だ、それが出来るのは左大臣しかいない、と言ったあと、
「あなたはお宝をお持ちだ、お宝を使いなされ」
と言ってます。
お宝とは何か。この娘、です。
にしても、この彰子さまの表情は・・・(泣)。