為時さん、甘すぎるでしょう。
越前の地元役人の「言い分」を丸呑みにして「そなたの越前国を思う気持ちは分かる」って。
国司の役人が、故意に組織的に冤罪をでっちあげた、これは「誣告」であり、最低流罪、下手すれば死罪に値する犯罪です(国衙の地元役人は「貴族」ではないので、死刑免除にはなりません)。
謹慎、と言われたときの、越前介の、この嬉しそうな顔。上手く言いくるめたぞ、と笑ってるのは明らかだ、と思うのは、私だけでしょうか?
「宋人が横暴すぎるから、排除しなければと考えた」。それなら、先週のあの「賄賂」は何だったのか。あれは明らかに、悪事の隠蔽が目的です。
「裏金を渡す男」が「国を思っている」ことは絶対にありません。世の中には、良い賄賂と悪い賄賂がある?そんな馬鹿な。
地元役人の介と大掾は、自分たちの「利権」を守ろうとしたのは、間違いないと今でも私は考えています。
私は、やはり「このルイージ(緑服の髭男)は、まだ嘘ついてる」と、私は現在でも考えています。
宋人とつるんで利益の上前を撥ねようとしていた、というのが一番ありそうなセンで、新任の守が来て事態がマズくなってきたので、罪を着せて切り捨てようとした、というところでしょう。
にしても、周明が簡単に「目撃者」を捕まえて引っ張ってこられたのも、怪しいといえば怪しすぎる。越前ではいちばんいいひとに見えた通訳の三国安麻呂さんが、実はあんな悪人だった、っていうのも、ちょっと俄かには納得いかないところです。
ホントだろうか? この男の証言だけで、実は誰も現場を見ていない、ってのも気になります。通訳が高額の裏金を要求する悪人だった、というのも、この武生商人の言い分がすべてです。
死人に口なし、とは、よく言ったもんで。
もしかして、国麻呂こそ冤罪、という可能性もありますよね。
宋人と地元役人は、やはりツルんでいた、と私は見ています。宋人としては、無実の罪を着せられるてはたまらないが、すべてがアカラサマになるのも困る。だから、この決着で手を打った、とも考えられます。この宋の商人一党は「並みの善玉」ではないことは間違いない。それはラスト近いシーンでも、明らかですし。
もしかしたら、このドラマでは、この事件はここで「一件落着」、地元役人たちはもう出てこない、ということなのかも知れません。まあそうだとすれば、私の考え過ぎ、ということになるわけですが、まあそれでもいいでしょう。
舞台から退場する小役人が、実は善人だったか悪人だったか、今後のドラマ展開にはたいした影響はない。どっちでもいい話であれば、好きなように解釈させていただきましょう。
問題は、宋の商人たちの本音(正体)です。
宋の商人たちの目的は、やはり「交易の開始」です。これは国家的な使命である。つまり、朱仁聡は「ペリー」であり、宋銭は黒船だ、ってことです。
目的達成のためには日本人をおだても騙しもするし、多少の荒っぽいこともやる、らしい(もしかしたら邪魔者を消すかも知れない)。
ハニートラップも、勿論ありです。
この、極端に人のいい越前守さんの政治力では、彼等を追い返すのは、不可能に思えます。
問題は解決していません。