プッチーニ「つばめ」は、オペレッタの雰囲気を残した変わった歌劇。 | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

METライブビューイング、プッチーニ「つばめ」

https://www.shochiku.co.jp/met/program/5533/

主人公は「クルチザンヌ」のマグダ、迫力満点の歌手「エンジェル・ブルー」が演じている(どの舞台写真でも、真ん中にどーんといる)。

こないだの「カルメン」ではミカエラ(ドンホセの幼馴染の娘)で出てきたときも「おお」という感じだったけど、とにかく大物感満載の歌手です。

椿姫にちょっと似てるけど、あんなに壮大な悲劇ではない。

銀行家の世話になって暮らしている彼女が、田舎から出て来た青年と恋をして、バブリーな暮らしを捨てるが・・・。って話。

「つばめ」とは、自由に空を飛ぶ、だけど一年たつとまた元の所に戻ってくる、という意味のタイトル、だそうな。


今日は音楽評論家の先生の事前解説つき。もとはドイツ語オペレッタとして企画された話だけど、プッチーニが「オペレッタは書けない!」って行き詰って、第一次大戦が始まってオーストリアとイタリアアが敵国になってしまって云々、二転三転して結局イタリア語オペラとして公開された、というなかなか面白い話、らしい。だからラストで誰も死なない、っていうのは珍しい、のだそうだ。

クルチザンヌ、は「高級娼婦」と訳されるけど、女性が頑張って上昇することを、一概に不道徳、罪というのは、違うのではないか。

ニュアンスとしては「港区女子」くらいの感じなのかな。