鸚鵡で喜んでいていいのか、これって黒船来航の危機なんじゃないのか? 鎖国か開国か大丈夫か越前守? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

実資さん、宋人から贈られたとおぼしき鸚鵡に、なんだか大喜びですけど。

「不可解、不可解」って、何か外国勢力の陰謀の臭いを嗅ぎ取っているのでは、という人もいらしゃるようですが、それは深読みすぎだと思います。単純に、鳥が人語をしゃべるのが「不可解」なんじゃないですか? 実資、明らかに楽しそうだし。

そんなことより、宋人の献上品が宮中に届いている、というのが問題なんじゃないか、って私は思うんですが。

道長から為時へのミッションは「越前での交易は不可能だ、と納得させて、宋人を追い返す」だったはずでしょう?

しかし、明らかに指示とは違う方に事態が進んでませんか。

朝廷は「宋との交易は、太宰府限定」という方針のはず。

江戸時代の長崎出島でのオランダ政府限定貿易の方針と同じです、それを「鎖国」と呼ぶなら、平安時代の日本も「鎖国状態」にあった、わけです。

そこに、宋から「越前開港」を迫る船が来た、これって、黒船でしょ?

菅原道真が遣唐使を廃止して以来、平安時代の日本は「国風文化の隆盛」なんて肯定的にばかり語られているけど(清少納言も紫式部もその文脈の中にいるわけだけど)、唐が滅んで宋は出来たばかり、というぬるま湯のような海外環境のよさに、日本は胡座をかいていたのも事実で。

そこへ、都とは至近の越前に、イレギュラーな船がやってきた。対応を誤ると大変なことになる、かも知れない。

いわば、ペリー来航、とは言わんまでも、ラクスマンがやってきて貿易を迫ってきてるような「プチ国難」なわけで。

政治家でも外交官でもない越前守に任せて「大丈夫か?」と思うのは、私だけでしょうか?

私、この先の話を知らないで、予告編観ただけで、これ書いてますが。

為時、宋人寄りになるでしょう、きっと。だってあのひともともと漢学者だから、中国大好きな人だから。

まひろなんか、あっという間に宋人の彼氏?を作っちゃって。

交易いいね!って言い出すに決まってる、ような気がします。下手すると、また道長に手紙なんか書いちゃうかもしれない(また父親のフリして?)。交易すべきです!って。

だけど、当然だけど開国っていい事ばかりじゃあない。物価は上がるし犯罪は増える、疫病もくるし、なにより侵略の足掛かりにされるのは世界史のお約束。

そんなに無邪気な話ではないでしょう。どうする道長!ってレベルの話で。

政府としては、そりゃ、とにかく有無を言わせず追い返したいと思うでしょうが。それは問題の先送りに過ぎないんです。

あれ?

これは歴史の話じゃあない。現代の世界のいろんなところに転がっている、いままさに我々が直面してる課題です。

大河って、これをやってくるんですよ、毎年。