す井浦新さん(関白道隆)が、高畑充希さん(中宮定子)に「皇子(みこ)を産め、産め」と凄い形相でマタハラしている「光る君へ」。
あれ観てると、天皇の外戚になって朝廷を支配する、ってのは、物凄く不安定で、コスパの悪いやり方だなっていうのが分かります。
教科書には「平安時代の藤原氏が、外戚として強大な権力を握った、みたいに書いてあるけど。
よく見れば、一族の間で争ってばかりで、兄弟、従兄弟の間で政権がくるくる交代してるじゃないですか。
天皇に嫁がせた娘が男の子を産むか産めないか、みたいな、政治家としての能力とか努力とかとは関係ないところで、一喜一憂せにゃならん。
そんなところにばっかしエネルギーを使ってるから、平安貴族ってロクに政治なんかしてなかった。
平安時代の摂政関白なんて、ほとんどマトモな政策なんかなく、庶民はほったらかしの無政府状態だった、てのが歴史の現実で.
もちろん、ドラマでは、さすがにこの後、道長が何かするのだろうけど。 それは「演出」だから。
そういう「なんもしない貴族」の支配から脱して、現に生産を担っている武士層が作ったのが、「幕府」と呼ばれる武家政権ですから。
「摂関政治の真似はしない」てのが存在意義です。
平清盛は、武士出身のくせに、藤原摂関家の真似なんかするから、政権は一代で潰れたんでしょーが。
天皇の外戚になろう、なんて貴族の発想は、健全な武家政権ならば真似しちゃいかんのです。
天皇ってのは、田舎者が下手に触ると火傷するんですよ。秀吉みたいに。
家康は「吾妻鏡」を熟読してたから、それが良く分かっていた。京都には手を出すな、それが武家政権の、鉄則。
秀忠はそれに比べて、やっぱちょっと、甘かったんだろうな。
娘を天皇家に嫁がせたりって、ちょっと、見てはいけない夢を見ちゃった、のかも知れない。