天皇の外戚になろう、なんて、まともな武家政権は真似しちゃいかんのです。 | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

す井浦新さん(関白道隆)が、高畑充希さん(中宮定子)に「皇子(みこ)を産め、産め」と凄い形相でマタハラしている「光る君へ」。 

 あれ観てると、天皇の外戚になって朝廷を支配する、ってのは、物凄く不安定で、コスパの悪いやり方だなっていうのが分かります。

教科書には「平安時代の藤原氏が、外戚として強大な権力を握った、みたいに書いてあるけど。 

よく見れば、一族の間で争ってばかりで、兄弟、従兄弟の間で政権がくるくる交代してるじゃないですか。 

天皇に嫁がせた娘が男の子を産むか産めないか、みたいな、政治家としての能力とか努力とかとは関係ないところで、一喜一憂せにゃならん。

そんなところにばっかしエネルギーを使ってるから、平安貴族ってロクに政治なんかしてなかった。 

平安時代の摂政関白なんて、ほとんどマトモな政策なんかなく、庶民はほったらかしの無政府状態だった、てのが歴史の現実で.

もちろん、ドラマでは、さすがにこの後、道長が何かするのだろうけど。 それは「演出」だから。

そういう「なんもしない貴族」の支配から脱して、現に生産を担っている武士層が作ったのが、「幕府」と呼ばれる武家政権ですから。

「摂関政治の真似はしない」てのが存在意義です。

 

平清盛は、武士出身のくせに、藤原摂関家の真似なんかするから、政権は一代で潰れたんでしょーが。

天皇の外戚になろう、なんて貴族の発想は、健全な武家政権ならば真似しちゃいかんのです。

天皇ってのは、田舎者が下手に触ると火傷するんですよ。秀吉みたいに。
家康は「吾妻鏡」を熟読してたから、それが良く分かっていた。京都には手を出すな、それが武家政権の、鉄則。
秀忠はそれに比べて、やっぱちょっと、甘かったんだろうな。
娘を天皇家に嫁がせたりって、ちょっと、見てはいけない夢を見ちゃった、のかも知れない。