「光源氏って、光が名前で源氏が名字なの」
違います。
「源氏」というのは、ひらたくいえば「王子さま」という意味です。
天皇の息子のうち、序列が低い者は「源(みなもと)」の姓を賜って臣下の身分になります。どの天皇の息子も、みんな同じ「源」です。だから「源氏の君」と言ったら、源なにがしという固有名詞ではなく、「皇室から追い出された?王子さま」という意味の一般名詞なんです。
光る、は名前ではなく、形容詞です。美しい、カッコいい、尊い、という意味で、「光る君」というのは、「美しい王子サマ」という意味のニックネームというかキャッチフレーズみたいなもんです。
「光くん」という名前ではないんです。
源氏物語、というのも、作者(紫式部)がつけたタイトルではなく、自然にそう呼ばれているだけですが。この物語には固有名詞はほとんど出てきません。登場人物はみんな肩書か、ニックネームで呼ばれます。だから主人公の本名は分からない、のではなく、最初から「ありません」。
なお、「源光(みなもとのひかる)」という人物は、平安時代に実在しますが。
このひとは菅原道真の祟り?で溝にはまって溺死した、という人で。
源氏物語の主人公とは全く何の関係もありません。