先週の終盤、まひろの衣装が、いままでずっと黄色だったのが、オレンジ系(紅梅色、というのですか?)に変わりました。
という声もありますが、これは「まひろが、ひとつ大人になった」という表現だということで、間違いないと思います。
それを象徴的に表すために、「主人公の心を揺さぶる事件」が起こったあとは、主人公が変化したってことをビジュアルで表すために、衣装の色が変わるんです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240309/01/eiichi-k/12/c1/j/o0720040415410746685.jpg?caw=800)
「鎌倉殿の13人」でも、ある事件をきっかけに、北条義時の衣装が青から濃紺(というかほとんど黒)に変わりましたよね、という指摘をいただきました(ありがとうございます)。このあと義時は、汚れ役をかぶる非情な人間になりました。衣装が変われば性格も、というか人生観が変わる、わけですね。
この映画、紫式部が源氏物語を書きながら半生を追想するんですが、冒頭で藤原為時一家が越前に赴任するあたりから、主人公は「むささき」という名前で呼ばれていました。
つまりこの吉永小百合サンは、子供の頃から紫式部のマインドを持ったまま、まっすぐに育った、ってことになるんでしょう。
まひろは、違うんですよ、たぶん。
大河ドラマというのは、一月にはノーバディーだった主人公が、春夏秋冬を経て、十二月にはサムバディになってる、そういう枠組みで出来ているのですから。
決定的に人間が変わる瞬間というのが、何度か、あるんです。
春に橙、夏に赤、そして秋にはついに「紫」になって物語を書き始める、ってのはどうですか。
たとえばさあ、「真田丸」で、主人公の名前が真田幸村ではなく信繁だ、って言われて、みんな、なんだかなあって思って観てたじゃないですか、そしたら大詰め前で自分で「幸村」に改名するってシーンがあってさ、視聴者は、うおーって沸き立ったものです。
あれを、今回もやるんじゃあないかと思うんですよ。
「今年の主人公は、まひろ、です」って言われて、視聴者はみんな、モヤモヤしてると思うんですよ。自分たちがよく知ってるアノ名前じゃあないから。
そこで、「今日から私、紫式部です!」って言って、バーンと紫色の衣装を着て登場する「爆誕」シーンがあったら、とんでもなく盛り上がるんじゃあないですか?