盗賊として捕まってしまった「直秀」だけど。こいつホントは何者なんだ? 実はホントに、道長の兄弟? | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

先週の「光る君へ」の話、ですけど。
ラスト、直秀が捕まった時の、道長の顔が、凄かった。
こんな顔、しないよ、普通。

道長だって馬鹿じゃあないんだから、直秀の腕に傷があったのを見付けた瞬間に、自分の射た矢が刺さったんだ、くらい分かったでしょう。
それに、ここぞとばかり右大臣家の屋敷の中を探検したがる。あ、盗賊はコイツだ、って気が付かなかったら、余程のぼんくらだけど。実は道長はボンクラではない、いうことが、ここんとこ、徐々に明らかになってきているわけで。


だから道長は、わざと皆と離れたところに連れてきて、「腕の傷はどうした」とか聞いたわけで、枝が刺さった、とかいう明らかな嘘にも突っ込まなかった。なんでかって、ここで直秀の嘘を暴いたら、折角できた友人を一人、失ってしまうから、でしょう。
(おい、もう正体バレてるぞ、だからもう危ないマネはやめろ)
と、暗に伝えようとしたのだ、と見ます。
しかし直秀には、その腹芸を理解しなかったのか、それとも信念なのか、こともあろうに直後に右大臣邸に盗みに入ってきて、案の定、捕まってしまった。


道長にとって、痛恨の事態です。オマエなんで来るかなあ! オレなんでもっとハッキリもう止めろと言わなかったかなあ!
まさに、「わが人生最悪のとき」って顔してます。

ところで、いまさらだけど、この直秀って、何者なんだろう。
ただの庶民とは思えんのですよ、だって名前が「直秀」でしょう、これは諱(いみな)ってやつです。端くれでも貴族でなければ、こんな名前はつかないんじゃあないですか?


まひろの従者は「乙丸」でしょ、道長の従者は「百舌彦」です。散楽仲間(=盗賊仲間)も、劇中では呼ばれませんけど、オープニングを見ると、みんな庶民っぽい名前がついてます。
「直秀」は、庶民の名乗る名前ではありません。
思えば道長にいきなり「弟です」と連れて来られて、いきなり「打毬(だきゅう)」をやらされても、サマになっている。あの鑑定眼のある(たぶん)赤染衛門にも「あの公達ステキ」と言わしめた。絶対こいつ、根っからの庶民じゃあない。


私は、案外、本当に道長の弟なんじゃあないか?と今でも勘ぐっています。
兼家(段田さん)が、どっか他所で作った子供で、道綱(上地くん)よりもっと身分の低い母から生まれた。父親に顧みられず、父親を恨んでいる。
それであれば、散楽で執拗に右大臣家を嘲笑している理由も、右大臣家のゴシップに妙に詳しいのも、納得がいく、ってもので。
「俺は、本当にお前の弟だ」「えええーつ」
っていう回が、いつか来るに違いない、来るんじゃないかな、って私はいまだに思ってるんですけどね(但し、ここ数年、私の憶測は外れっぱないしですけど)。


ただ、もうひとつかんがえてるのは、実は「まひろの腹違いの兄」っていうセン。そっちのほうが衝撃が大きい。史実の為時は、そんなに朴念仁ではない、らしいし。このドラマでも「実は」ってのが、あるかも知れませんよ(・・・ないかな)。