明治モノの大河ドラマはあたらない、というジンクスを「青天を衝け」の渋沢栄一が破った秘訣は、家康? | えいいちのはなしANNEX

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渋沢栄一は「現代劇の呪い」を打ち破った、のだそうで。
いやいや、、渋沢栄一は幕末から明治の人で、「現代人」ではないし、「青天を衝け」も現代劇とは言わないと思いますけど。
これは「近代劇の呪い」とでも言うべきでしょうね。つまり大河ドラマで「明治、大正、昭和」をやって視聴率が取れない、という。
確かに、大河で視聴率が取れるのは戦国モノであって、幕末維新モノはなかなか及ばない。
理由はいろいろあるけど、たぶんみんな、政治的駆け引きなんかより、派手は戦闘シーンが観たいんだ。
とはいえ、そのほかの時代だとほぼ確実に爆死するのだから、「幕末維新モノ」はマシとも言える。新選組とか坂本龍馬とかスターもいるし。とはいえこの辺の人気者は大抵明治になる前に(あるいは、なってすぐに)死んじゃうから、明治のドラマって感じにはならない。
「いだてん 東京オリンピック噺」の記憶は新しいけど、以前にも、明治をがっつりやった「春の波濤」とか、昭和をがっつりやった「山河燃ゆ」とかは大爆死案件として今だに耐えられているし。
渋沢栄一の大河「青天を衝く」は半分以上はがっつり明治だし、戊辰戦争のころ主人公がパリ行っちゃってたから(そのあいだ従兄弟が彰義隊で頑張ってたけど)、戦闘シーンがあんまりない。やってることは「経済」だからチャンバラはない。それでよく、そこそこの視聴率が取れたもんだ、っていうのは、確かに言えます。
私は、その秘訣は「こんにちわ、徳川家康です」だと考えています。


大河ドラマは「信長、秀吉、家康」の三人のうち、誰かが登場しないと絶対に視聴率が取れません。何故なら、視聴率というのは「歴史マニアではない一般国民」が担うものであり、一般国民が残らず誰でも知ってる日本史の人物って、この三人しかいないんです。世の中ってそんなもん。
だから、戦国モノ以外は視聴率が取れないんです。
そこで、毎週強引に「徳川家康です」をオープニングにぶっこんだ。これで「おっ、知ってる名前が出てるぞ」って一般国民が食いついた、ってことろがある。
德川家康は、「麒麟がくる」「青天を衝け」「鎌倉殿の13人」「どうする家康」と、四本連続で登場しています。もはや「大河のお守り」と言ってもいい。
だから。来年の大河ドラマにも、どっかに必ず家康がカメオ出演する、と私は予想しています。無理だろって? いや、「鎌倉殿~」の最終回みたいに、初回冒頭に徳川家康が(孫の千姫と一緒に?)源氏物語を読む、みたいなシーンを入れりゃあいいんです。いきなり送りバント。NHKはやってやってくるに違いない、と私はひそかに予想しています。