北条といえば、和泉元彌主演の「北条時宗」という大河が昔あったけど。あれ面白かった? | えいいちのはなしANNEX

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「鎌倉殿の13人、の流れで、昔「北条時宗」という大河があったらしいけど。主役があまり知らない人なんだけど、脇役は豪華だし、これ面白いの?」

そうか、和泉元彌は「あまり知らない人」なんですね、今の人には。

あの時代には一世を風靡した人気者(笑)になった人物なんですけどね。
といっても、話題になったのはもっぱら、強烈なお母さんのキャラとコミでしたけど。
和泉元彌は。狂言和泉流の家元の家に生まれた「狂言界のプリンス」です。お母さんの猛烈な売り込みのおかげで、一時期は日本中のイベントをチャーターしたヘリで飛び回り「ダブルブッキング元彌」の愛称で親しまれていました。
正直、和泉元彌の狂言が「家元」の名に相応しいような至芸なのか、素人には全く分かりません。野村万作・萬斎親子よりも格上の、日本の狂言の総本家である、みたいに声高に主張してましたので、なんだか超大物っぽく見えてたんですよね。

まあ、和泉元彌の話をいつまでも突っ込んでも仕方ないので。

ほとんど前半は、北条時宗の父・時頼をやった渡辺謙が主役のドラマで、鎌倉幕府の権力抗争みたいなのがリアルに描かれていました。
鎌倉時代のドラマって今までほとんどないので、渡辺謙が「じゃあ、俺たちがやってやろうじゃないか」と意気に感じた、と言ってましたが。
渡辺謙が生きているうちは緊張感があるドラマだったんですけど、いなくなった後は、正直、気が抜けた感じになっちゃったなあ、というのが正直な感想でした。
渡部篤郎が、主人公の兄なんですが、母(篠原涼子)が側室だったので跡継ぎになれない、っていう鬱屈したキャラで。兄弟の相克のドラマをひっぱれば、面白くなりそうだ、とも思えたんですけどね。
この兄は史実では叛乱を企てて殺されてしまうんですけど、ドラマでは生き残って、ほうぼうを流浪した末に、木村佳乃(実は足利氏の落胤)と一緒に元まで行ってフビライに会ったりするんですよね。
このへんはもちろん完全なフィクションで、「大河は史実通りにやらなければ許さない」系の原理主義者の皆さんには極めて評判悪いんですけど。
逆にいえば、こんな「きわめて架空に近い人物」を動かさなければ、元寇ってドラマが作れないんですよね。主人公は実戦には一切参加していないし。派手な戦闘シーンさえ作れればドラマは盛り上がる、ってもんでもないんだなあ、っていう典型でしたね。
どこをドラマのゴールにしたもんか、どうも上手く焦点を合わせられないうちに終わってしまったな、という気がします。

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