「23階の笑い」ニールサイモンには必ず共感してしまうんだオレは。しかも松岡茉優が今回もいいぞ。 | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。

「23階の笑い」、今日(土曜日)のマチネ公園を観てきたんだけど、相当に感動しました。

とにかく笑える、相当に強烈なメンバーだけど、特に小手伸也といつのがあんなに凄いコメディアン(?)だとは、おみそれしました、と言うろころで。俺、あの役やりたい。


注目はもちろん松岡茉優です。たぶんこのメンバーの中ではダントツで最年少だけど、舞台に出てきて一つ台詞を聞いただけで「えっ?」と思ったほど、堂々としていてびっくりした。

女だからと気負わず、紅一点としてチヤホヤされることを拒否し、私はクリエイターとして認められたい、認めさせる、と堂々と宣言するキャロルの姿には、なんか涙が出たわ。


ニールサイモンだから勿論、一筋縄ではいかないだろうとは予想してたけど。

マッカーシズム(赤狩り)の嵐が吹き荒れ、風刺喜劇すらも迫害され、創作者の居場所がどんどん無くなっていく、という状況はハードで、まさに笑ってられない時代。

なかでも女性が居場所を確保するのは容易なことではないはずなのに、キャロルは誰よりも時代に敏感で、立ち向かう意志が強い、こんなポジションを一番若い松岡茉優に任せた三谷幸喜は偉いなあ、と思うわけで、いや、おれファンだから。


私は学生時代にニール・サイモンの「映画に出たい」という芝居をやったことがあります。

妻子と別居してハリウッドでくすぶっている売れない脚本家のもとに、成長した娘が「女優になりたい」と言って訪ねてくる、って話で、ヘンな話、私の演劇人生のなかで一番、仲間内の評判が良かった芝居でした。

私はこのとき、たぶんニールサイモンの分身をやったわけで、すでにこうなると、あらゆるニールサイモンの芝居が他人事ではなくなるもんで。だから、この「23階の笑い」のメンバー全員に、分かるよ、オレはみんなの心意気がよく分かるよ、って声をかけたくなったりするわけだ。

これは決して大昔のニューヨークの話ではなく、現代も社会の状況は同じなんだよ。


松岡茉優は、ラジオで「みんなで昼食を作ろう」!っていうような振り切った企画をやってるけど、芝居の話をもっとしてくれよ! と思うんだわ。
コロナの影響度合いは様々だけど、松岡茉優はけっこうワリ食ってるほうだと思う。
「劇場」最高でした。泣きました。「お金の切れ目が恋のはじまり」はフルで観たかった。大泉洋との出版社の映画は予告編をもう何十回観たか分からん。

あ、騙し絵の牙、だ。「桐島~」の吉田大八監督。3月26日公開に決まった、と。今年6月の予定だったもんが、9ヶ月遅れってことか。

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