「平城京」の中に「平城宮」という宮城がある、って何だって? | えいいちのはなしANNEX

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「平城京の宮城を平城宮という」って、歴史の参考書に書いてあった、何のこっちゃ?

さっぱり分かりませんね。

この場合の「城」という漢字は、戦国時代の軍事要塞のことではありません。壁に囲まれた町、都市のことを「城」という、というのが本来の漢字の意味です。

奈良の都は「平城京」といいますけど、現実には壁にも塀にも囲われてなくても、都市は全体が壁に囲まれているのが建前なので「城」と書きます(いわば進撃の巨人状態、中国大陸でも、ヨーロッパでもそうです、町の周囲に壁がないなは平和な日本くらい)。

「宮城」(きゅうじょう)は、天皇の住まい(宮殿)と、そのまわりの官庁全体を指しています。これも、重要区画が壁(塀)で囲まれています。

「平城京」の城は都市全体を囲む壁、「宮城」の城は皇居のまわりを囲む塀、同じ「城」という字でも規模が違う。「平城京」という都市のなかに「平城宮」と呼ばれる宮城がある、わけです。

ちなみに平城京の宮城を「大内裏」といい、東京で宮城と言えばいわゆる「皇居」(むかしの江戸城)のことです。昭和の新聞記事やら小説やらに「宮城」という言葉は頻出します。

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