なんで日本神話は「八」尽くしなのか。中国皇帝は九なのに。 | えいいちのはなしANNEX

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天皇家の三種の神器は、

「八咫鏡」「八尺瓊勾玉」「天叢雲剣」

です。で、剣は八岐大蛇の尻尾から出たものです。

おお、みんな「八」に因んでいます。

なんでか。

中国では、皇帝を象徴する数字は「九」です。九はいちばん大きな数であり、「すごく偉い」ということです。皇帝の宮殿を「九重」といいますが、建物がものすごくたくさん連なっているということです。

日本の天皇を象徴する数字は「八」です。天皇の祖先神は「八幡神」であり、応神天皇は八幡神が降り立ったものだとされます(え、天照は?神武は?と言われそうですけど、まあ、いろいろあるんですよ神話には、これ歴史ではなく宗教の話ですから)。

ですから、天皇家の宝に「八」にまつわる名前がついているのは当然だ、として。

なんで「八」なのか、なんで中国の皇帝よりひとつ少ないのか、って考えると、ちょっと気になりますね。

八も九も「多い」という意味でしょう。別に中国に遠慮してひとつ減らしたわけではないと思いますが。まあ、文化の違い、とでもいうんでしょうか。

四方八方、という言い方をします。東西南北に加えて東北、西北、東南、西南、で八方向。これで「全方向、全世界」の意味になります。

しかし、これに「中央」を加えれば九になります。具体的にいえば3×3のマトリクスです。

真ん中の皇帝を「実体」とみるか、あるいは天皇は神の子孫なので「空」と見るかで、全世界をあらわす究極の数字が「九」なのか「八」なのかが変わる、のではないかと考えられます。

というところで、どうでしょう。





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