どんなに強そうにみえる権力者でも、周囲の人間みんなに憎まれたら、ひとたまりもないはずで。
それでも、簡単に暗殺とかされないのは、権力者の周囲には必ず、彼を信奉している人、彼を愛している人、彼にくっついていることで利益を得ている人、彼を支えることに無上の喜びを感じる人、そういう人が取り囲んでいるからでしょう。
逆にいえば、そういう「お仲間」「親衛隊」を上手く組織できた人間だけが「権力者」になれるわけです。つまり「独裁者」というのは「世界一、仲間を作るのが上手かった人物」ってことです。
歴史を語るとき、そこんとこ間違えてる人が世の中、多いんですよ。個人の能力が優れていて、周りを全部やっつけたヤツが天下を取れる、と思っている。
それは間違いです。
「まわりを全部、味方につけた者が天下を取れる」んです。
一匹狼は上には立てない。多少、頼りないところがあって皆に守ってやりたいと思われるヤツが意外と御神輿に乗って天下人になっちゃう。こういうの「人徳」といいます。