2月はどうして短いのか? それは「ローマ帝国が微妙にセコかったから」です。 | えいいちのはなしANNEX

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2月になりましたね、そういえば。

2月って、なんとなく「一月ある」と思っていると、実は28日しかないんですよね、「え、もう終わり?」ってことになって慌てたりしますよね、えてして。

しかし、なんで2月だけ妙に短いのか?

この話をすると、余計な薀蓄をいくらでも語りたくなるのですが、それはなるべくナシにして、骨子だけ説明しましょう。
現在、世界で使ってる暦の原型は、ローマ帝国で出来たものです。
太陽暦です。つまり、一年は365日と1/4(だいたい)です。
この一年を12に分けますと、一月は30.43・・・、となります。
そこで、30日の「小の月」と、31日の「大の月」を交互に入れていけば、だいたい合計が合うでしょう。


当時のローマ帝国の軍隊や役所は月給製でした。30日でも31日でも給料が同じ、となれば、交互でないと不満が出る。ならば「大小大小」と交互になるようにしましょう。
とはいったものの、暦を作る側としては、同じ給料でなるべく多く働かせたいのは人情です。
当時のローマ帝国では、一年は「芽吹く春」から始まります。つまり、マーチ(今の3月)から始まります。
そこで、1大、2小、3大、4小・・・10小、11大と「大から始めて大で終わる」という並びにしました(現代でいえば、2ずつ足してね、2月→今の4月です)。


なんで11月(いまの1月)で終わりなのかというと、「12月(いまの2月)は寒すぎるので、まるごと1月休み」なのです。

えー、さすがイタリア人の先祖! ひとつきまるごと休むかよ!

 とはいえ当時は「有給休暇」なんていうオツな概念はありません、仕事が休みなら給料はもナシです。ローマ帝国、意外とシブイです。せっかく休みなのに収入がないんじゃ、南の島にバカンスになんて行けません、って行くなよ、引きこもって冬眠してろ。


というわけで、整理すると。
これだと大が6、小が5、合計336。365日から引くと29日、つまり、残りの29日間がまるごと休みです。
ところがそのうち、いろんな事情で(まあ、「夏場って、なにかと忙しいからさ」って理由でしょう)、6月(いまの8月)が1日増やされてしまいます。で、あれこれズラした結果、「大の月が7、小の月が4、完全休暇月が1、合計12」となります。

あれ? なんか微妙に「時そば」的にだまされた気分ですけど。

ローマ帝国、細かいところがセコイです。


ということで、最後の12月(いまの2月)は、計算すると余りの28日になったわけです(4年に一度だけ29日にして帳尻を合わせる、これが閏年)。
「働かない代わりに給料も出さない」という12月(いまの2月)は、短いほうが、雇用者側としては得なわけです。ブラックだ。まあ、今も昔の、お上が決めたことには逆らえません、しょうがないですな。

 って話を昔、聞いたんだが。たぶん嘘じゃない、と思う。