徳川家康の作った世の中への「アンチ」な主張のなかで、「なるほど、これは理屈だ」と思ったものがありました。
ライフネット生命の会長の出口治明さんは「江戸幕府は史上最悪の政権だ」と言ってます。その理由は、江戸時代は人間の体格が最も小さく、寿命も短くなった時代だから、なのだそうです。
江戸幕府が「絶対に内乱を起こさせない」ために、極端に海外貿易を制限し(いわゆる鎖国)、人の移動も物資の流通も抑制する政策を取ったため、日本人の栄養状態が悪くなったからだ、というのです。文春文庫「大戦国史」の中の対談で語ってます。
また、庶民から「武器」を剥奪したことで、鉄砲で四足の獣を取る猟師も激減し、肉食の習慣がなくなった影響も大きいでしょう。
それもこれも「平和」を実現するためのコストと考えれば、「最低の政権」呼ばわりもどうかと思いますけど、出口さんは「自由な経済活動を制限するのは、許しがたい悪である」というポリシーの人ですから。
まあ、確かにデータ的に「江戸人は小柄で短命」というのが事実なら、いくら「家康びいき」でも、ぐうの音も出ません。
というわけで、江戸時代より戦国時代のほうが、日本人の体格は大きかったらしいですね。意外なことに。