戦国時代の政略結婚では、たぶん「立場の強いほうが、嫁を出す」のではなかろうか。何故なら・・・ | えいいちのはなしANNEX

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このブログの見方。写真と文章が全然関係ないページと、ものすごく関係あるページとがあります。娘の活動状況を見たいかたは写真だけ見ていただければ充分ですが、ついでに父の薀蓄ぽい文章を読んでくれれば嬉しいです。


 「戦国時代の縁組は、一つ残らず政略結婚である」と、つねづね言ってますショックなうさぎ
当時の人々にとっては、それが不幸ってわけじゃない、だって、男は戦争して女は結婚するのが「お仕事」なのですからとびだすうさぎ1

 ところで、大名同士が縁組をする場合って、立場の強いほうと弱いほうがあったら、どっちが「嫁を出す」側になるんだろう、と考えると、どっちかといえば「格上のほうが嫁を出し、格下のほうが嫁を貰う」というケースが多いでしょうねつながるピスケ
 なんでかっていえば、「嫁」というのは「外交官」であり「監視役」であり「監督官」であり、場合によっては「進駐軍」である場合もあるからです。

 嫁はもちろん体ひとつでやってくるわけではなく、それなりの侍女や家臣を連れてきます。当然、相手の家の中に「嫁の実家」の勢力が一定数、常駐することになるわけです。情報収拾も可能ですし、離反の様子などあれば筒抜けになります。どう考えても、嫁を出すほうが有利です。
 よく、戦国時代の政略結婚を「人質」と勘違いする人がいますが、これは大間違いです。もし同盟関係が破綻しても、嫁が殺されるということは、まずありません。戦国時代の外交関係なんて猫の目のように変わるのに、敵に回ったから嫁を殺す、なんてことをしたら二度と後戻りできません。自殺行為です。だから最悪の場合は「離縁」されて帰されることはありますが、殺されることはありません。

 織田信長は、浅井長政に妹を嫁がせ、徳川家康の息子に娘を嫁がせています。長政は「義理の弟」になり、信康は「義理の息子」になるわけですから、これで信長が格上であることが確認されたわけです。どちらの嫁も、嫁ぎ先が離反したらいち早く情報を実家にもたらす、という機能を実際に果たしています。

 嫁は「出したほうが得」です。だから、息子だけでなく娘も、いっぱいいるに越したことはないわけです。

 


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