ヒステリー気質の淀殿や超肥満児でマザコンの秀頼と、運動と粗食を毎日実行し政治意欲満々の家康。
なかなか「人間味」があって面白いです。が、結局は「通説のイメージを忠実になぞっている」だけです。
いや、何のはなしかといえば、TBSの番組「世紀のサイドショー ザ・今夜はヒストリー2時間 大坂冬の陣ですが。
たとえば関口宏が、豊臣と徳川の「指導者の人間性」「日本国のありかたへのビジョン」「実行力」等を比較して、「さて、日本の次の指導者には、どっちになって欲しいと思います?」とゲストコメンテーター達に振って議論させる、みたいな「サンデーモーニング」風の内容をつきつめるのだったら、この「報道形式」のお遊びも、意味があると思うのです。
でも、残念まがら、ホントに残念ながら、そこまでいってません。
「ウチは大阪やから豊臣ラブやねん」とかキャーキャー言ってた女芸人が、「現場」の生の状況を見ていくうちにだんだん考えを変えていく、みたいなのがあるんだったら、こうした番組形式の甲斐もあるでしょう。
でも、番組は結局、旧来のイメージをなぞって茶番劇をやっただけ、というふうに見えてしまいます。
ジャーナリズムが「直撃インタビュー」をする意味はなにか。「悪党を、悪党らしく見せりゃいい」というだけだったら、こんな薄っぺらいものはありません。「悪党と言われている人物が、ほんとうはどういう考えを持っているのか」を探るのが、ジャーナリズムの醍醐味です。
「今まで抱いていたイメージが、本人(?)の話をよく聞いてみると、変わってきたなあ」みたいなことは、この番組には、全然ありませんでした。つまり、二時間見ても、なんの発見もないんです。素人はともかく、歴史好きが評価できるもんではありません。
ついでに言うと、「手に負えない女ベスト10」のコーナーが許せない。いわゆる俗説だけで、検証もなく、順位なんかつけて何になるのか。てゆうか一番許せないのは、せかっく「亀の前」(頼朝の愛人)の話題が出たのに、オセロ松嶋が「自分がかつて大河ドラマで亀の前をやったことがある」と言わなかったこと。まさか、すっかり忘れてるんじゃあるまいな。ホントに馬鹿なわきじゃあるまい、君は。ここで「当事者の生々しい証言」を入れなくて、なんのニュースショーだっつうの。
すいません、熱くなるような話題じゃなかった(笑)。