『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答! -29ページ目

『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!

本当にわかる英語とは?!英語、英文法、その他の外国語の学習、言語学などについていろいろ語ります。

明日香出版YouTube。今回は「the+比較級」です。なぜ比較級なのにtheがつくのか、そもそもなぜ最上級にtheをつけるのか。そこには「当然」の理由があります。


my bicycleと言えても「a my bicycle」とは言えないのはなぜなのか?aが名詞につく「標識」ではなく、ちゃんとした「意味を持つ言葉」だとわかると、こういう謎もきちんと解けます。

 

aは常に二つの意味を持ちます。

  1. 「これ以上崩してはいけない形が丸ごと一つ揃っている」ことを意味する
  2. 「ある種類名・カテゴリーの中から、ランダムにひとつ、ものを取り出してあげる」ことを意味する

この二つの意味が「同時に実現」されるときにaを使います。

 

【決定版】英語の冠詞の基礎を完全イメージ化|鬼わかり英文法vol.031 

 

 

I am as tall asの後ろはhe is なのか、himなのか、という質問をよく受けます。答えから言うとどちらも英語ネイティブの間では使われていますから、どちらも間違いとは言えません。しかし本来はどうだったのかと言えばhe isです。どういう仕組みが働いているのか説明します。


原則として比べる側と比べられる側は同じ形になるのが言語を問わず比較の鉄則です。例えば「水と油」のように名詞同士は比較できても「水と走る」のように名詞と動詞のような異なる品詞は比べようがありません。


I am as tall as he is.I am (tall)he is (tall)というSV同士を比較しているので正しい形です。これが例えばI like you better than her.ならI like youI like herという目的語同士を比べているのでthanの後ろがherになっています。


一方as tall as himの問題ですが、英語ネイティブの間に、本来接続詞であるasthanを前置詞だと誤解する流れが出てきました。前置詞の後ろは目的格がきます。したがってas tall as himといった表現が生まれ、なおかつ定着してきました。ちなみにこのような誤解(正確には類推と言います。他の言語現象から推測してそのルールを間違って当てはめることです。)から言葉の品詞が変化するということは言語の歴史の中で日常的に起きています。