suggest(したらどうかと言う)、insist(やるべきだと主張する)、demand(絶対やれ、と求める)など、「やれよ/やろうよ」系の動詞の後にthat S + V ~が来ると、そのVは「should +原形」か「ただの原形」が来る、というのを習ったのを覚えている人も多いでしょう。
例:
(1) I suggested that Mary go there alone.
「メアリーがひとりでそこに行けばいいんじゃないかと私は言った。」
(2) He insisted that we should pay the money.
「彼らは私達がそのお金を払うべきだと言い張った。」
例文(1)のgoは動詞の原形です。アメリカ英語によく見られるタイプです。(2)のshould+原形はイギリス英語によく見られるタイプです。
主節の動詞が「やれよ/やろうよ」系の動詞が来ると、後ろに来るthat節内の動詞にこんなことが起きます。なぜでしょう?
(2)から説明するのがわかりやすいでしょう。要するにthat節の中身は「何をやれ/やろうと言っているのか」を表す部分ですから、「やるべきだ/やったほうがいい」を意味するshouldが来るわけです。では(1)はどうなのでしょう?なぜ動詞の原形がくるのでしょうか?実はここの点に関して多くの「まちがった説明」が見受けられます。
●この原形はshouldの省略ではない!
よく「この原形はshouldが省略されたものだ」という説明がなされています。しかし、それは違います。これは仮定法現在という形なのです。皆さん学校では仮定法過去と仮定法過去完了はしっかりと習いますね。
★仮定法過去:「実際には違うけど、今仮にこうだとしたら」
→昔はきちんとした動詞の活用の形があったのでしょうが、現代英語では動詞の過去形を使って表します。(be動詞だけかならずwereを使うのは、「昔の活用形」の名残です。)
★仮定法過去完了:「実際には違うけど、あの時、仮にああだったら」
→昔はきちんとした動詞の活用の形があったのでしょうが、現代英語ではhad+過去分詞という形で表します。
●では仮定法現在は何を表すのでしょうか
★仮定法現在:「今はまだ実現していないけど、これから仮にこうなったら」「今はまだやっていないけど、これからこうしてね」というふうに、①未来の仮定と、②依頼/命令に使われていました。「使われていた」と表現したのは、仮定法自体、英語ではかなり使われなくなった文法だからです。以前説明したように、他のヨーロッパ語が接続法(英語における仮定法)で表している「考えているだけの世界/仮の世界」を英語では法助動詞(will, can, must, mayなど)を使って表現するようになったからです。
suggestやinsist, demand等の後ろのthat節内の動詞が原形(仮定法現在)になっているのは「今はやってないけど、これからやってよ」という気持ちがあるからです。
英文法問題の花形「時や条件を表す副詞節には未来のことでも現在形で表し、willはつけない」の正体もここにあります。実は今でこそ現在形(直説法現在)を使いますが、大昔(すくなくともシェークスピアの頃)は、原形(仮定法現在)を使っていたのです。
昔:If it rain
tomorrow, …
現代:If it rains
tomorrow, …
「もし明日雨なら」というのは、「今の現実の話じゃなくて、明日のことだよ」ということです。仮定法現在の出番です。先ほど、仮定法過去には「ただの過去形が使われるようになった」と述べましたが、それと同様、昔は仮定法現在だったのが、今では直説法現在、つまりただの現在形を使うようになったのです。
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