英語がわかるのに日本語になおせない? | 『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!

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本当にわかる英語とは?!英語、英文法、その他の外国語の学習、言語学などについていろいろ語ります。

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英文を和訳していると気づくのは、英語がある程度出来る人にとって、和訳で困ることは「英文の意味がわからない」ことではなくて「日本語でどういえばいいのか」ということですよね。英語で言っていることは100%わかる。情景だってきちんと頭に浮かぶ。でも、英語で言っていることの形を出来るだけ損ねないで、日本語に直すとなったらかなり難しい。
 こういう問題がなぜ生じるのかと言えば、それは
日本語と英語での「ものの見方」「世界のとらえ方」が違う
からなんですよ。
いろいろありますが、典型的には、英語は
「自分を外から見るもうひとりの自分がいる」
ということがあります。分かりやすく言えば、「自分の肉体をリモコンで操縦している自分がいる」ということです。ガンダムとアムロ=レイのようなものです。こんな文があります。
I seated myself at the table.
直訳すると、「私は自分をテーブルにつかせた」です。seatはよくTOEIC、受験問題、英検その他にでてくるのですが、「座る」ではなく「席に着かせる」という意味の動詞です。自分が自分を席に着かせるなんて、日本語を話す人間にとっては奇妙でしょ?でもこれが英語の「世界のとらえ方」なんです。
こんな情景を想像してください。カーナビの画面上に自分の位置を示す赤い点が光っている。これが突然、画面上から消えたとします。すると、「世界(画面上)から自分(を示す赤い点)が失われた」という感じになるのがわかりますかね?そこで英語ではこのイメージを
I’m lost.「私は迷子になっている」
と受動態で表すのです。これも「自分を外から見ている」英語の感じがよく表れた表現ですね。
日本語では「ここはどこ?」と言いますが、英語では
Where is here?
とは言わずに
Where am I?
と言いますが、これも地図上にいる自分を外から眺めている感覚です。
$『英語職人』時吉秀弥の英文法 最終回答!-Where am I?
ちなみに日本語では「自分がカメラになって外を眺める」感覚がよく出てきます。自分がカメラになれば、自分は画面上に映り込みません。自分は画面から消えて、自分の「まわりの景色」しか画面に出てこないのです。ですから「ここはどこ?」という表現は「ここ」も「どこ」も景色を指す言葉でしかないのですよ。「私」という言葉は出てきません。消えているのです。
英語を学習するときは、クビをかしげてしまうような表現によく出会いますが、実はそこに「言葉=世界のとらえ方」という、本質的な問題が横たわっているのです。
ね、言葉は単にコミュニケーションの道具、というだけではないのです。

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