そこでわかったこと。
まずは文法とかなんとかはいいから、フレーズをたくさん覚えてしまえ、ということ。明日にでもそのフレーズをネイティブに話しかけなきゃいけないんだぐらいのつもりで、役者気分でリアルに。そう言う意味で「次にあの国に行ったら、きっと、その国の言葉で用をこなすぞ!」という目標は私にとってリアルなモチベーションになります。
「文法とかはいいから」と言いましたが、私は文法を軽視する立場ではありません。ただ、順序が大切なのです。文法というのはその言語のなかのあそこにもここにも見られる「共通のパターン、ルール」、つまり抽象化されたルールです。いろんなフレーズも知らずに、一つの文に見られるルール、つまり「文法」を云々したってしょうがないのです。大根、ニンジン、カボチャ、レンコン、ごぼう、と色々見てきたから「野菜」という「抽象化された感覚」がわかるのであって、大根しか見たことがないのに「野菜」という概念はわかりませんし、オレンジしか見たことがないのに「果物」という概念はわかりません。「野菜」や「果物」という抽象概念、つまり「文法」に気づくには、まず、たくさんの大根やニンジンやオレンジやリンゴ、つまり「たくさんのフレーズ」を覚えることが大事なのです。そうして数をこなしていくうちに、「あれ、単語のこういう並び方、以前もあったな」とか、「このフレーズ自体、前も見た」「あ、このパターンね。もう楽勝。」とかなってくるわけです。ここが、「文法を学ぶベストタイミング」です。いろいろなフレーズの共通性に気づき始めたら、その底流にあるルールがなんなのか、本等できちんと学ぶのです。すると、「ああ、そうだったのか!」とかなり面白く文法が頭に入っていきますよ。
私は「まず知識の島を作れ」と言います。そして、バラバラと知識の島ができてきたら、それぞれの島に共通して流れる文法を学んで「知識の島に橋をかけろ」と言います。これが語学学習の「ワンユニット」です。このユニットをたくさん繰り返すと効率よく外国語が習得できるようになるのです。マイケル・トマセロという学者は乳幼児の言語習得時に「動詞の島構文」が現れ、そこから文法の習得が進む、という話をしています。私の言う「知識の島」とほぼ同じような考えです。

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