北朝鮮に拉致された日本人被害者のうち5人が帰国して20年がたちましたが、他の被害者の帰国に進展がないことに危機感が強まっています。北朝鮮に拉致された少なくとも12人の日本人被害者の帰国が、いまだ実現していません。
5人は2002年、日朝首脳会談のあと、帰国を果たしました。5人はこれまで、それぞれの生活を懸命に立て直そうとしてきましたが、他の拉致被害者たちが今も帰国の機会を得られていないことに深いいらだちを感じています。
曽我ひとみさんは先月(9月)、講演を行った際、一緒に拉致された母親のミヨシさんの消息が分かっていないことへの落胆の気持ちを明かしました。
曽我さんは、「毎年、母は冬の寒さを乗り越えられただろうか、ちゃんと食べられているのだろうかと、胸が締めつけられる日々です」と語っていました。
拉致問題は、最初の事件の発生から45年になります。

Alarm about the lack of progress in getting North Korea to return some Japanese abductees is rising, 20 years after five of them made it home. 再生解説

進展がないことに関する危機感が、北朝鮮に日本人の拉致被害者の数名を帰国させることに関して、高まっています、20年のあと、彼らのうち5人が帰国して。
解説
alarmといえば「警報、警告」などを思い浮かべますが、ここでは、危険によって引き起こされる「危機感、懸念、不安」などの意味です。alarmを受ける動詞は離れていますが、is rising「高まりつつある」です。
about以下が危機感の内容です。lack of progressは「進展がないこと」です。
get+目的語(人)+to+不定詞の形は、「(人に)~させる」という使役表現です。ここでは、North Korea「北朝鮮」が目的語になっています。
ここでのreturnは「返す、帰還させる、帰国させる」で、目的語を取る他動詞です。returnには目的語を取らない自動詞の用法もあります。return home「帰宅する」と言えば、後者の例です。
abducteeは「拉致被害者」です。動詞abductは「拉致する、誘拐する」で、語尾の-eeは「~される人」を表すことから、abducteeは「拉致された人、拉致被害者」となります。なお、abductはkidnapで言い換えることもできますが、kidnapには「身代金」が伴うことが多いです。
make it homeは「家に帰る」という表現ですが、ここではつまり「帰国する」ということです。make itはとても応用範囲が広いフレーズで、「うまくいく、何とかやり遂げる、間に合う」など、日常会話で便利に使うことができます。例えば、Sally had big dreams of making it as an actor.なら「サリーは俳優として成功するという大きな夢を持っていました」です。
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At least 12 Japanese nationals taken by North Korea have yet to come back.再生解説

少なくとも12人の日本国民が、北朝鮮に連れ去られた、いまだに戻ってきていません。
解説
at leastは「少なくとも」です。反対は、at most「多くとも、せいぜい」で表せます。
(be) takenは「連れ去られる」です。前述のabductedやkidnappedを使うこともできます。
have yet to+不定詞は、「いまだに~していない、~するには至っていない」という表現です。
ここでのcome backはreturnを言い換えたもので、「帰国する」にあたります。
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The five who returned in 2002 did so following a Tokyo-Pyongyang summit.再生解説

2002年に帰国したその5人は帰国しました、日朝首脳会談のあとに。
解説
5人の帰国者について、returned in 2002「2002年に帰国した」という情報が、関係代名詞who以下でさらに説明されています。
did soは、同じ単語の重複(ここではreturned「帰国した」)を避けるために使われています。
following ...「~に続いて」は、after ...としても同じです。
Tokyo-Pyongyang summitは、ここでは「日朝首脳会談」を指しています。summitは「頂上、山頂」から転じて、「首脳、トップ」としても使われます。ここでのsummitは、summit meeting「首脳会談」のことです。
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They have been striving to rebuild their lives but say they feel a deep sense of frustration about the others not getting the chance to return.再生解説

彼らは懸命に立て直そうとしてきました、自分たちの生活を、しかし彼らは述べています、深いいらだちを感じていると、残りの人たちが帰国する機会を得ていないことについて。
解説
strive to+不定詞は、「懸命に~する、必死に~する」です。
rebuildは、建物を物理的に「建て直す」だけでなく、比喩として壊れた生活や人間関係などを「立て直す、再建する、修復する」としても使われます。
sense of frustrationは「いらだつ気持ち、不満感、挫折感」などです。about以下で何についてのいらだちなのかが述べられています。
日本語で「チャンス」と言うと、「一獲千金のチャンス」のような「好機」というニュアンスが強くありますが、英語のchanceは中立的に「機会、可能性、見込み」も表します。例えば、When you flip a coin, you have a fifty-fifty chance of getting heads.「コインを投げると、50-50の可能性(確率)で表が出ます」と言った場合、ここでのchanceは「好機」という意味にはなりません。
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Soga Hitomi revealed her disappointment in a talk last month. Her mother, Miyoshi, was abducted with her but remains unaccounted for.再生解説

曽我ひとみさんは落胆を明かしました、先月の講演で。彼女の母のミヨシさんは、一緒に拉致されましたが、今も行方が分かっていません。
解説
revealは「(今まで見えていなかったものを)明かす、明らかにする」で、報じられていなかった事実や胸の内にある思いなどを伝える場合に使うことができます。
disappointmentは「落胆、失望」です。
ここでのtalkは、名詞で「講演」という意味です。
remain ...は「~のままである」です。
(be) unaccounted forは「(理由や消息が)明らかにされていない、不明である」という表現です。反対に、接頭辞un-を含まないbe accounted forなら「説明がつく」です。例えば、All the missing residents have now been accounted for.と言えば「行方不明の住民全員の消息が現在は確認されている」となります。人以外でも物について使って、All the missing documents have been accounted for.「なくなっていた全ての書類は所在の確認が取れています」のように言うこともできます。
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(Soga Hitomi / Former abductee)
“Every winter I wonder whether my mother has been able to survive the cold and if she is able to eat properly. My heart is aching every day.”再生解説

「毎年冬に、私は思いを巡らします、母は寒さを乗り越えられているのだろうか、そして母はちゃんと食べられているのだろうかと。私の胸は毎日締めつけられています。」
解説
曽我ひとみさんの言葉を英訳したものです。
本文には、wonder whetherとwonder ifの両方が含まれています。wonder whether ...やwonder if ...は「~だろうかと思う」ですが、ここでのwonderには「思いを巡らす」という意味があります。
the coldは「寒さ、寒い気候」を指すので、survive the coldは「寒さを乗り越える」という意味になります。
eat properlyは「適切に食事をとる」ですが、ここでは「ちゃんと食べる」という意味です。
acheは「痛む」で、本文のheart「胸、心」や、head「頭」とも相性の良い動詞です。1語になったheartacheなら「心の痛み」、headacheなら「頭痛」を意味します。
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It has been 45 years since the first abduction occurred.再生解説

45年がたちました、最初の拉致事件が発生してから。
解説
最初のセンテンスにX years after …という形が出てきますが、X years since …も「~からX年」として同じように使うことができます。ただし、sinceを使った文では、sinceの前の動詞が現在完了形になることに注意が必要です。
abductionは「拉致」で、ここではabduction case「拉致事件」の意味を含むものとして使われています。
occurは「(偶然に)起こる、発生する」という動詞です。日常会話では、同じ意味のhappenを使うのが自然です。
拉致問題は最初の事件の発生から45年がたち、横田めぐみさんの父親の滋さんなど被害者との再会を果たせずに亡くなる家族が相次いでいます。