伊藤サムが講師を勤めるNHKラジオ講座「高校生からはじめる現代英語」を聴きました。土曜日の16:30~17:00まで2回分を再放送しています。

伊藤サムという名前は以前から知っていたのですが、本名は何と言うのかなと思ってWikipediaで調べてみると、伊藤信治で、群馬県生まれです。サムというのは、高校生の時にミシガン州に留学していた時の愛称だそうです。シンジがサムになるの?

彼の話し方は落ち着きがあって、とても好感を覚えました。日本には、英語講座の講師は常にハイテンションでなければいけないという風潮がありませんか?出演者が常にエキサイトしワクワクして異様な盛り上げ方をしていて、聴いている私は逆に白けてしまいます(苦笑)。もっと普段通りに話してくれませんかねぇ。

現代英語というタイトルが付いていますが、内容は去年11月のアメリカ大統領選挙でした。半年前・・・ちょっと古いな。Joe Bidenの勝利宣言の英語を詳しく解説していました。勝利宣言はto declare victoryですが、敗北宣言はconcession speechと言います。

番組中に日米の違いについて話す時間がありました。日本では「伊藤サム」のように呼び捨てにするのは失礼にあたります。敬称や肩書きを付けるのが普通です。一方、アメリカではニュースでもJoe Bidenと呼ぶことが多いです。日本なら「バイデン氏」ですね。

番組後半に反訳トレーニングがありました。高校生でもできるように英文をかなり短く区切って、日本語から英語に直す訓練をします。そこで、「なぜ日本はアメリカに宣戦布告したのですか」という問題がありました。

私は「Why did Japan declare war against the US?」だと思ったのですが、正解は「war on the US」でした。前置詞、難しいなー。

この講座が良いというより、講師の人柄に惹かれました。

3月29日から始まるNHKラジオ講座「中高生の基礎英語 in English」は、ダイアログもその解説もすべて英語で放送するそうです。それで、最寄の本屋でテキストを手にとって見てみると

定価550円でした。薄い本なのに高いな~!

過去数年間ほどラジオ講座のテキストをじっくり読んだことがなかったのですが、いつの間にこんなに値上げしたのでしょうか。年間通して購入すると6600円です。YouTubeに無料教材が無数にあるのに、わざわざ6600円も払う必要があるのでしょうか?

放送はすべて英語だそうですが、テキストには日本語の解説が付いていました。でも、この講座はまだマシです。お笑い芸能人が出演している講座もあります。人件費を無駄使いせずに、テキスト代を下げて欲しいです。

「オールイングリッシュで学ぶ超実践的な新しい英語講座」だそうですが、このテキストはどの程度売れるのでしょうか。中高生を主な顧客層にしているようですが、一体何人の中学生が買うのかな。



テキストの表紙には「オールイングリッシュで学ぶ」と書いてありますが、講師からのメッセージには前置詞を入れて「All in English!」になっていました。それが正しいと思います。講師は明海大学教授ですからね。

それにしても感嘆符が2つも付いています。さらにその後には「Never give up! Let's keep on going together!」と続きます。ホントに感嘆符が好きな人ですね。まるで某ブロガーみたいだ(笑)。



『ちょっとひと言』
オールイングリッシュとは、英語の授業を英語だけで行う事を指すようです。教師の能力も必要ですが、生徒はどうなのでしょうか。授業中に何か疑問があって先生に質問したくても、「英語で質問しなければいけない」と強制されたら、英語が苦手な生徒は質問しないと思います。結局、塾の先生に日本語で教えてもらうことになるでしょう。学校の授業で教えて貰えない部分を塾の先生が担当する(苦笑)。

BreakingNewsEnglishというサイトに2月19日付けで「University staff asked not to say 'mother' and 'father'」という教材がありました。オンライン英会話のネタとしては面白いですが、これはいくらなんでも極端でしょう。

英語学習者ならgender-neutral languageという表現を聞いたことがあると思います。言い換えの代表例を挙げてみました。このあたりは既に定着していますし、右側の表現を使うことに違和感を覚えません。

businessman → businessperson
chairman → chairperson
fatherland → homeland
housewife → homemaker
mankind → humankind
manpower → workforce
mother tongue → native language
policeman → police officer
stewardess → flight attendant
spokesman → spokesperson


ところが、Australian National UniversityGender-Inclusive Handbookでは、motherの代わりにgestational parentの使用を勧めています。fatherではなくnonbirthing parentだそうです。この調子で行けば、brotherやsisterにも代替表現が必要になってくるのでしょうか?

新婚夫婦に赤ちゃんが生まれたら、男の子か女の子か気になりますが、将来はbaby boyやbaby girlという表現もsexismにつながるのでしょうか。

sexismと言えば、東京五輪組織委員会の森喜朗会長は「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかります」などの女性蔑視発言問題で辞任に追い込まれました。あんな人でも、年間数千万円の収入があったそうです。

ちなみに、Gender-Inclusive Handbook(26ページのPDF)は誰でも無料でダウンロードできます。