コンサルの仕事で重要なことは、解像度高く現状と課題を捉え、それに対して適切に解決策を立案していくことだということは、以前も書きました。
(観察眼と解像度の高さの重要性について書いた記事はこちら )
仕事が粗い、もしくは仕事の成果に結びついていない人に共通する一つの特徴は、ものごとに対する洞察が薄く、捉えなくてはいけない詳細を見落としてしまうことです。
そうしたコンサルタントには、「それって正十角形を、マルですって言い切っちゃうぐらいの粗さだよね。ちゃんと正十角形は正十角形と正しく捉えよう。」と言うことがあります。
10の頂点と10の辺からなる図形を、円として捉える粗さでは、いつまで経ってもいい仕事はできません。
(正十角形と円)
グラフィックデザイナーの原研哉氏は、デザインには覚醒が大事で、デザインの未来は12、13、14と進む先の16にあるのではなくて、「実は8と9の間、『8.7』とか『6.2』みたいなところに可能性が潜んでいる」と「デザインの未来」で語っています。
これも解像度を高く持つことの重要性を違う角度から語った言葉です。
クリエイティブディレクターの後藤繁雄氏は同じ対談において、西洋音楽でも同様の取り組みがあったと語っています。
それまでドレミファソラシドの長音階が中心だったところ、20世紀初頭のシェーンベルクなどの新ウィーン楽派の作曲家によって、その音階の間をグラデーション的に作曲する無調音楽が発明された過程は、整数の間にあるものに目を向けるという取り組みであったと。
雪をいつも見ているイヌイットには「雪を語る言葉が100以上ある」なんて話もありますが、ものごとを見る解像度を高く持ち、より多くのことを見えるようになりたいものです。
(関連で生活にアンテナを張りたいと書いた記事 。)