(昨日の記事はこちら 。)
この2つの記憶のモデルを提唱したのは、弁護士で心理学にも造詣が深かったウイリアム・W・アトキンソンですが、「忘れない努力をしない限り、目に入っただけの情報は短期的な記憶のアーカイブにしか入らず、数十秒で忘れてしまう」という趣旨のことを述べています。
確かに、興味のあることはすぐ頭に入ってきますし、興味のないことはなかなか記憶に残りません。
好きな人のファッションはすぐに思い出せても、興味のない人のファッションは、同じぐらいの頻度で目にしていても記憶に残っていないことと同じです。
目に触れたものでも、興味によって長期的な記憶に残るかどうかが異なるとすれば、同じ生活をしていても、アンテナを高くしている人の方が蓄積は確実に大きくなります。
少し前に、私も教えていたことのあるビジネスコースの担当者とお話をしていたときのことですが、その方が企画をしていた「グローバル・アジェンダ」講座の価値をどう伝えるかというディスカッションになりました。
1ヶ月に1回、数時間その講座があるのですが、「数時間だと学べることも限られているので講座の価値の伝え方が難しい」と言っていたその方にお伝えしたのが、“アンテナを張る”ことの価値と重要さです。
例え講座が1ヶ月に1回数時間だとしても、そのときに問題意識を持ったグローバルな課題認識がフックとなり、今後の新たな情報の収集や知識の蓄積につながれば、その講座は数時間以上の価値を持つことになります。
講義を受けて興味を持ちアンテナが高くなることで、そのトピックスに関するニュースは長期的な記憶に蓄積される可能性が高くなるので、その価値が講座における座学を更に意味あるものにするであろうことをお伝えしました。
こうした考え方は、博報堂の加藤昌治氏が提唱するカラーバス(color bath:色を決めて、その色を意識して街を歩いて情報を集める)に代表されるように、アンテナを高くして、想起や記憶につなげるという点で様々な手法に共通します。
このブログを書いている理由もそこにあるのですが、同じ生活をおくり経験をするのであれば、アンテナを高くして生活した方が断然にお得なのではないでしょうか。