ロクシタンの拡大 | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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昨日の日経新聞でも出ていましたが、日本の化粧品市場は縮小トレンドにあり、09年では8%の縮小となりました。

外資系 戦略コンサルタントの着眼点-化粧品市場
(日経新聞2月8日 朝刊)

沖縄のブセナテラスのアメニティもロクシタンに切り替えられていたと以前書きましたが、多くの日本の化粧品メーカーが日本に見切りをつけて海外進出を強化しつつあるなか、日本で気を吐いているのが、ロクシタンです。
(その記事はこちら 。)

ロクシタンは南仏発の自然志向の化粧品ブランドで、日本では2桁の成長を続けている今まさにブームを迎えつつあるブランドです。

ちなみにフランスでも1996年の時点では3店舗しかない小さいブランドだったロクシタンを、世界で700億円ブランドまで育てたのは、INSEADで経営学を学んだレイノルド・ガイガー氏でした。

ロクシタンは経営力とマーケティングで成長を実現してきたブランドですが、日本での拡大も、2001年に当時マーケターだった鷹野志穂氏が36歳で社長として雇われてからです。

高い成長を謳歌している背景には、航空業界やホテルへの導入による認知の向上や、店頭のディスプレイを毎月変えたプロモーション、Web LOCCAなども一役買っていますが、ブームの側面もあるように見えます。

2000
年に入ってからはAVEDAなどのスパ化粧品や、オリジンズ、ザ・ボディショップなどのナチュラル化粧品のブームがありましたが、その流れを受けたAgronaturaなども含めたオーガニックのトレンドを受けて拡大しています。

売れているときに一気に畳み掛けるというのは定石で、ここでの規模が将来的な事業規模を決めることがほとんどです。いまはグローバルではザ・ボディショップと同じぐらいの規模となったようです。

今後のチャレンジはブランドの老朽化でしょうか。
どんなブランドでも必ず歳をとります。

10
年経てばそれを使い続けてきたロイヤルカスタマーも10歳齢をとりますが、年齢を重ねるごとに購買力が高まる顧客を捨てて、若い顧客にリターゲティングするというのは、簡単ではありません。

かつては多くの2030代のロイヤルカスタマーを持っていた一部の欧州化粧品ブランドも、利用者の年齢が高くなったことで、今やおばちゃんイメージがついているものが多くあります。

資生堂は2005年に10年に渡って展開したプラウディアをマキアージュに改編しました。どこかではそのぐらいの思い切ったブランド若返りが必要になるかもしれません。