海外を嫌う新入社員 | 外資系 戦略コンサルタントの着眼点

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戦略コンサルでマネージャーを務める筆者が日々の出来事を独自の視座で書き綴る


昨日の日経新聞を読んでいて結構ショックだったのが、産業能率大学による「グローバル意識調査」の結果です。

海外で「働きたいとは思わない」と答えた方が今年度の新入社員の5割に達しました。

その理由の多くが、リスクが高いとか、海外に魅力を感じ無いという点にあり、よく言われる若者の内向き志向を明確に表わしています。

また日経新聞の420日付に、日本能率協会による新入社員意識調査が掲載されていましたが、「実力・成果主義」よりも「年功主義」の会社で働きたと答えた人数が、2001年の調査開始以降始めて過半数を超えたそうです。

こうした意識結果を見ると、大方の若者の意識は「横並び・安定」で、かつ「国内」にあるということがわかります。

つい先日も書きましたが、「国内」だけを向いていては、「横並び・安定」は成立しえない構造にじきになる日本市場において、この思想はかなり危険だと言えます。
(先日の記事はこちら 。)

ただこうした意識を当人達だけのせいにすることは出来ません。
家庭での両親の考え方や、学校などにおいて、「結局、国内で安定を求めることが、日本に居る限り一番得をする」と刷り込まれてきた結果なわけです。

以前の記事で、「これからの時代、子供を日本のいい大学に入れさせるために受験勉強させることは意味を持たないのでは?」と言った同僚の話を紹介しましたが、少なくとも両親も含めた考え方がこのぐらい変わってこないと、それまで家庭で育てられてきた新入社員の考え方が変わるとは思えません。
(以前の記事はこちら 。)


個人的には最近の楽天やユニクロのような英語の標準語化が進み、その結果会社員の意識が変わり、そこから家庭の意識が変わって社会に浸透していくことで、意識の高い新入社員が増えてくる社会が実現されればいいなと思います。
(英語の社内公用語化について以前書いた記事はこちら 。)

そうしたときに日本の産業界としてもよりオポチュニティが広がるのではないでしょうか。