辻村深月の『かがみの孤城』は、
ファンタジーの形をとりつつ、不登校や居場所のなさという現実的なテーマを深く描いています。
友情や支え合いの大切さを実感できる作品です。
読書感想文
『かがみの孤城』を読んで
辻村深月さんの『かがみの孤城』は、学校に行けなくなった中学生たちが「かがみの城」という不思議な場所に集まる物語だ。読み進めるうちに、ファンタジーの世界観の奥に「不登校」や「居場所のなさ」といった現実の問題がしっかり描かれていることに気づき、強く心を動かされた。
主人公のこころは、学校でのいじめが原因で教室に行けなくなる。部屋に閉じこもり、孤独を抱えていた彼女が、ある日鏡を通じて城に招かれる。そこには同じように学校に行けなくなった子どもたちが集まっており、みんな事情は違っても「居場所を失った」という共通点を持っていた。私はこの設定にリアリティを感じた。なぜなら、私自身の周囲にも「学校に行けなくなった友達」がいたからだ。
物語の中で印象的だったのは、登場人物たちが少しずつ心を開き、互いの秘密や弱さを共有していく場面だ。最初はぎこちなくても、「自分だけじゃない」と気づいたときの安心感は大きい。特に、こころが友達の言葉に励まされ、再び未来を信じるようになる過程には胸が熱くなった。友情は、ただ楽しい時間を分かち合うだけでなく、苦しみを受け止め合うことで本当に強くなるのだと実感した。
この本を読みながら、私は「学校だけが居場所ではない」という言葉の意味を考えた。社会の中では「学校に行くのが当たり前」とされがちだが、現実にはそれが難しい人もいる。だからといって、その人の価値が下がるわけではない。『かがみの孤城』は、学校以外にも人とつながれる場所や、自分を大切にできる空間があることを教えてくれる。これは現代の子どもたちにとって、とても大切なメッセージだと思う。
また、この物語は「助けを求める勇気」の重要さも伝えている。登場人物たちは最初、自分の弱さを隠し、孤独の中でもがいていた。しかし心を開くことで、支え合える仲間を得ることができた。現実の世界でも、悩みを抱えていると「自分だけが弱い」と感じてしまうことがある。でも、声をあげれば必ず手を差し伸べてくれる人がいる。私はこの作品を通して、悩みを言葉にすることが「強さ」なのだと学んだ。
『かがみの孤城』を読み終えて、私は「居場所」とは物理的な場所だけでなく、人との関係の中にあるものだと感じた。家族や友達、先生との関わりの中で安心できる瞬間があれば、それが居場所になる。そして誰かにとって自分が居場所になれるような存在でありたいと思った。たとえば、悩んでいる友達に声をかける、ちょっとした言葉をかける。小さな行動でも、相手を孤独から救う力があると信じたい。
この作品はファンタジーでありながら、現実社会の「不登校」「いじめ」「孤独」といった課題を真正面から描いている。だからこそ、同じ世代の私たちに響くのだと思う。読後には、胸の中にあたたかさと同時に「誰かの居場所になれる人でありたい」という決意が残った。
『かがみの孤城』は、友情の力と居場所の大切さを改めて教えてくれる本だった。私はこれからも、周りの人の孤独に気づけるように目を向け、自分自身の居場所を大切にしながら生きていきたい。
要点まとめ
- 選んだ本:辻村深月『かがみの孤城』
- 感想の柱:
- 不登校や居場所のなさという現実的問題を描いたファンタジー
- 弱さを共有し合う友情の大切さに感動
- 学校だけが居場所ではないと気づかされた
- 助けを求める勇気が「強さ」だと学んだ
- 自分も誰かの居場所になれる存在を目指したい
こちらで1200字程度に収まっています。