『ハルとカナ』(いとうみく)は児童文学ながら、児童虐待や貧困、子どもの権利といった社会問題と強く結びついている作品です。
読書感想文
『ハルとカナ』を読んで
いとうみくさんの『ハルとカナ』は、家庭の事情で施設に預けられた姉妹の物語だ。読んでいて胸が痛くなる場面が多かったが、その中に光のように輝く姉妹の絆が描かれていて、最後まで一気に読み進めてしまった。
ハルとカナは、本来なら家族と一緒に暮らすはずの子どもたちだ。しかし、虐待や貧困といった大人の事情によって、安心できる場所を失い、児童養護施設で生活することになる。二人は不安や孤独を抱えながらも、互いに寄り添い合い、支え合って生きていく。その姿に、私は「子どもにとって一番大切なのは、安心して愛されていると感じられる環境なのだ」と強く思わされた。
物語の中で印象に残ったのは、姉のハルが妹のカナを守ろうと必死になる場面だ。自分も苦しいのに、妹の前では笑顔を見せようとする。その優しさと強さに胸を打たれた。逆にカナの素直な気持ちや無邪気さは、ハルにとって救いになっていた。二人の関係はただの姉妹以上に「生き抜くための絆」であり、その姿に人間の強さと弱さの両方が表れていた。
この作品を読んで、私は「子どもの権利」について考えるようになった。学校では国連の「子どもの権利条約」について学んだことがある。すべての子どもは、愛され、守られ、教育を受け、意見を尊重される権利を持っている。しかし現実には、ハルとカナのように権利を奪われた子どもたちがいる。日本でも児童虐待のニュースをよく耳にするし、経済的な理由で十分な食事や学習環境を得られない子どももいる。そう考えると、この本はフィクションでありながら、決して遠い世界の話ではないと思った。
また、貧困や虐待といった問題は、子ども自身には責任がないのに、子どもたちの未来を大きく左右してしまうことに不公平さを感じた。だからこそ社会全体で子どもを守る仕組みが必要だし、私たち一人ひとりがそのことを忘れてはいけないと感じた。
私自身も、普段は家族や学校、友達に囲まれて生活している。それを当たり前だと思っていたが、この物語を通じて「当たり前」こそが実は大きな幸せであると気づかされた。家で安心して眠れること、誰かに悩みを相談できること、ご飯を食べて笑い合えること。それらはすべて、子どもの権利が守られているからこそ成り立つのだ。
『ハルとカナ』は悲しい現実を描きながらも、最後には「希望」を感じさせる物語だった。たとえ困難な状況にあっても、人と人とのつながりや信じる気持ちがあれば、前を向いて生きていける。ハルとカナの強さは、多くの人に勇気を与えると思う。そしてこの本は、大人だけでなく、同じ子どもである私たちに「自分にもできることがある」と問いかけているのだと感じた。
読後、私は将来もし大人になったとき、子どもたちが安心して笑える社会をつくるために何ができるかを考えたいと思った。例えばボランティアや寄付といった直接的な支援もあるし、まずは周囲の小さな「困っている人」に気づき、手を差し伸べることから始められるはずだ。
『ハルとカナ』は、姉妹の物語を超えて、私たちに「子どもの権利」や「社会の責任」を問いかける作品だった。この本で感じたことを忘れず、これからの自分の生き方につなげていきたい。
要点まとめ
- 選んだ本:いとうみく『ハルとカナ』
- 感想の柱:
- 施設に預けられた姉妹の絆に心を打たれた
- 子どもの権利(愛されること、守られること)の大切さを実感
- 児童虐待や貧困は日本でも現実に起きていると気づいた
- 当たり前の日常の幸せを再認識した
- 社会全体で子どもを守る必要性を感じ、自分も行動したいと思った
この感想文は約1200字に整えています。