朝井リョウ 『何様』 | 英現堂のブログ・・・

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      読んだ本の紹介

何様

 

8年前に同じ著者の『何者』を読んだ。

就職活動をしている若者たちを描いた話。ESや面接、SNSでの発言、裏アカ等、それぞれの本音と建て前みたいなのを見ることができる。

 

この『何様』は、『何者』に登場する人物たちの、先立つ物語と、その後の物語、そして『何者』とは別な話に分かれる。

 

先立つ物語は、

『水曜日の南階段はきれい』

『それでは二人組を作ってください』

 

その後の物語として、

『逆算』

『きみだけの絶対』

 …あの烏丸ギンジが活躍。人間関係のやりかた、それはピボットだ。というのは面白い。一歩踏みだすが、軸足は動かさない。

『むしゃくしゃしてやった、と言ってみたかった』

 

そして『何者』とは別に、『何様』。

 『何者』では、就職活動しているメンバーの話であったが、この『何様』では、就職したてで人事部に配属され、採用担当となった者の話。

 

 採用されようとする自分は、何者?

 逆に、採用しようとしている自分は何様?

 

 面接で人を選ぶのは難しい。そいつが100%誠実で働きたいと思っているとは思えない。しかし、この学生を本気で採用したいと思う瞬間があるかどうか。そういう本気の1秒があったかどうか。という先輩の言葉に救われる。