インターネットは速い。その速さゆえに弊害があることを指摘し、遅いインターネットを提唱した本。
SNSの普及で、個人で発信できることが簡単になった。
その多くが、他人の意見の引用を自分の意見のようにしたり、
「いいね!」で同調したり、逆にアンチコメントを発信する状態。
これで仲間をつくり、承認欲求を満たす。そんなことでの社会とのつながりは不毛。
著者の提案で面白いのが、人と人との承認合いではなく、人と物との関係を強くもつべきだという。この物というのは、あなたにとってお勧めにのることではない。予想のつかないことが起こるような物、なかなか思い通りにならない物と触れ合うこと。そしてその快楽を覚えること。
この社会も同じで、弊害の多くが速さに流されることにあるとする著者は、、サイバー空間と実空間の両方に、新しい情報技術と人間の成熟をもって新しいプラットフォームを作っていこうとしている。そのキーワードが遅いインターネットだ。
さあ、どうなっていくんでしょうか? 成田悠輔の解説も興味深い。